2025年9月1日

今までのクルーズ旅行記








【2019年GW】
ノルウェージャン・ブリス

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【2019年1月】
飛鳥II

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【2018年年末年始】
シンフォニー・オブ・ザ・シーズ

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【2018年8月】
毎年恒例の夏の女子旅クルーズ ダイヤモンド・プリンセス

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【2018年6月】
リーズナブルなリバークルーズ見つけた! アマデウス・ブリリアント

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【2018年1月+GW】
リスクはノロい、揺れる、変わる。こうすれば楽しいコスタ・ネオロマンチカ

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【2017年11月】
ハーモニー・オブ・ザ・シーズで7泊8日で食べ飲み滑る

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【2017年8月】
目指せ永遠のプリンセス! ダイヤモンド・プリンセスで8泊9日でお祭りをめぐるクルーズへ

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【2017年GW】
オーシャニア・リビエラでゴールデンウィークにアテネからローマまで7泊8日のエーゲ海地中海クルーズ

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【2016年12月】
「るるぶクルーズ」の編集をお手伝いのため、2泊3日で飛鳥IIのクリスマスクルーズに乗船

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【2016年8月】
台風の荒波だってなんのその。ダイヤモンド・プリンセスでお盆が過ぎに東京脱出クルーズ

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【2016年8月】
猛暑の日本海+釜山クルーズ 舞鶴発着5泊6日

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【2016年6月】
たった3泊4日の短いクルーズだったけれども、4月に就航したばかりのオベージョン・オブ・ザ・シーズに乗船!

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【2016年GW】
セレブリティ・ソルスティスで、前半はハワイを周遊し、後半は太平洋を東に進む10泊11日の片道クルーズ

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【2015年8月】
クルーズ大好き!な女性4人でダイヤモンド・プリンセスで10日間のクルーズ。

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【2015年GW】
GWにフランスの探検船ポナン・ロストラルに。いい評判も悪いうわさもあったチャータークルーズの体験と感想をまとめました。

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【2014年8月】
1周目は夫Gと、2周目は女性ばかり4人一室で、サン・プリンセス北海道周遊クルーズに計15日間連続乗船。

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【2014年4月】
ロイヤル・カリビアンのボイジャー・オブ・ザ・シーズ-済州島・釜山7日間に友人のリエと読者モニターとして乗船。雑誌クルーズで紹介されました。

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【2013年8月】
スプレンディダで気に入ったMSCのヨットクラブにディビーナで再乗船。海から行くギリシャやトルコは、猛暑の東京よりずっと涼しかった。

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【2012年8月】
最初のクルーズで乗った懐かしのセレブリティで、今度は夏のアラスカに。アクアクラスでアクアなクルーズライフを堪能した。
猛暑の東京とはあまりに気温が違って寒さに震えることに!

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【2011年12月-2012年1月】
MSCスプレンディダのヨットクラブで、2週間後に沈没したコスタとほぼ同じコースを巡る。海が荒れて2回も寄港地変更したけれども、無事乗り切った。

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【2011年4月-5月】
やむを得ずキャンセルした夏のバルチッククルーズの代わりに、GWにプリンセスでメキシカンリビエラに行くことに。クルーズ料金の差額でフンパツして初めてのスイートに泊ることにした!

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【2009年4月-5月】
どうせ食べ物はまずいでしょと諦め半分で乗ったプライド・オブ・アメリカだけど、なかなかどうして。久しぶりのアメリカ流でのハワイ諸島巡りはけっこうあれこれ楽しめた。

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【2008年4月-5月】
着物もダンスもこなれたつもりの3度目のクルーズ、2度目の地中海(+大西洋)は、コスタ・ヴィクトリアで。

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【2006年8月-9月】
リフレッシュ休暇を使って、このために着付けとダンスを習って出かけた、コスタフォーチュナの地中海クルーズ

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【2004年12月-2005年1月】
今でも一番の思い出の初クルーズは、セレブリティクルーズのミレニアム号で東カリブ海を年越しクルーズ

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2024年8月11日

2024年8月 エアコンを消してアラスカへ
ノルウェージャン・アンコールでシアトル発着7泊8日

夏に涼しくクルーズができるのは、今や北ヨーロッパかアラスカだけになってしまった。日本発着のクルーズも夏はお祭りだ花火だと楽しいけれど、夏の日本近海は津軽海峡ぐらいまでは 海風が熱風となって、バルコニーに出ることもできない。

涼しい海風に当たりたい! そう思って決めた行先はアラスカ。前の年にヨーロッパに行ったので、今年はアメリカの番だ。弱い円を持つ身にとっては(2024年の前半は1ドル140円から160円の間をうろうろ) アメリカの物価高はキツイけれど、だからと言って日本の猛暑はもっと身にこたえる。脳みそは破壊されるし寿命が縮む。円安と脳破壊、どっちを選ぶ!? 自分にそう言い聞かせて、アメリカとクルーズをとことん楽しむことにした。

目次
1ノルウェージャン・アンコールに決めた
2乗船は余裕をもって
3久しぶりのメインダイニング
4ダンサーのいない船(エンターテインメントについて)
5寄港地で、鮭に会えなかった。
6コロナ以降のアメリカは


1 ノルウェージャン・アンコールに決めた

夏のアラスカクルーズで一番 お手軽なのは、シアトル や バンクーバー発着で 7泊8日で同じ港に戻ってくるコースだ。これだとアラスカ名物の氷河には、4日目ぐらいにちょっとタッチしてすぐに戻ってくる感じ。
アンカレッジ 近くのウィッティアまで 7泊8日かけて行くコースもある。ウィッティアで降りて アラスカの山奥のロッジホテルまで列車で行き、3泊とか4泊で国立公園内を点々として帰ってくるツアーも、クルーズにセットで付けられる。ゴールドラッシュ時代をたどることができるので、開拓物語が大好きなアメリカ人に大人気だ。
できるだけ長く涼しい海に浮かんでいたいけれど、今年はまだお盆の時期しか休めないサラリーマンの夫をもつ身の私だ。仕方なく日本から直行便で行けて便利な、週末シアトル発着の7泊8日のコースで探した。

そうして決めた船はノルウェージャン・アンコール。毎週5~6隻の船がシアトル発着の7泊8日のアラスカクルーズをしているけれど、乗ったことがないのはこの船とホランドだけだったのだ。
ノルウェージャン・アンコールは、コロナの直前に就航した17万トンの新造船だ。船のショーが充実しているから、私は大きな船が好きなのだ。このアンコールには新しいミュージカルショー、クワイア・ オブ・マンがあるという。コロナ前に同じノルウェージャンの新造船ブリスに乗った時には、レストランパッケージを使ってフレンチや イタリアンを美味しく楽しめた。
今回のコースはクルーズブラザーズ特別価格で、船の真ん中のちょっといいバルコニーがお得になっていた。

不安材料もちょっとあったんだけどね。コロナ禍以来、クルーズ 会社大手3社(ロイヤルカリビアン・カーニバル・ノルウェージャン)の中で、株価回復が一番思わしくないのが この ノルウェージャンだ。かなり厳しく コストカットをしているとは 業界ニュースで読んでいた。どんな風にコストカット しているのかな? そんな好奇心もちょっとはあった。結論から言えば、そんなアホな好奇心は持つべきではなかったんだけどね。

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2 乗船は余裕をもって

さて、今回は クルーズの前に2泊、ノルウェージャンのクルーズターミナル(ピア66)の真ん前の「 マリオット・シアトル・ウォーターフロント」ホテル に宿泊した。
乗船前日2024年8月10日土曜日の朝。時差ボケもあまり感じずに目が覚めたらびっくり。部屋から手が届くぐらいの距離に、ノルウェージャン・ブリスがドカンと泊まっていた。
ブリスちゃん お久しぶり! 2019年のゴールデンウィークに乗ったよ、と話しかける。おっきなお尻しか見えなかったけど。

私たちが今回乗るノルウェージャン・アンコールは明日日曜日にここにやってくる。そしてこのノルウェージャン専用のクルーズターミナルには、ノルウェージャンの船 ジョイ・アンコール・ブリスが毎週入れ替わり立ち替わりやってくる。だからもしノルウェージャンの船でアラスカクルーズをするならば、このマリオット ウォーターフロントホテルは本当に便利だ。ホテルの前の信号を渡ってちょいと右に行けばもう、荷物のチェックインゲートだから。
他の船は4-5キロ離れた別のターミナルなので、前泊するならダウンタウンのホテルからシャトルかタクシーで行くのがいいかもしれない。
前回シアトルからセレブリティに乗った時は、空港から船会社のシャトルバスに乗り込んで、港に直行したのだった。だからシアトルの街並みはバスの窓から眺めるだけだった。シアトルは魅力あふれる楽しい街なので、前泊2泊でゆっくりできて良かったと思う。

さーてすぐに乗船だ!と行きたいところだけれど、今回はゆっくり朝食を食べ部屋でダラダラし、昼過ぎにホテルをチェックアウトした。
乗船オペレーションは10時半くらいから開始と早いけど、部屋に入れるのは15時くらいと、いろいろなYOUTUBER(英語)が言っている。なので、13時頃行けばいいやとのんびり構える。前は1秒でも早く船に乗りたいと朝早くからそわそわしていたのに、私も年を取ったものだ。
いい訳をすれば、今回は優先乗船や特別フロアの特権が無い予約なので、早く行っても行列必至でゆっくり行ったのと同じくらいの時間になり、その倍は疲れることになりそうだったので。

13時前の乗船口に行列はほとんどなかったけれど、ロープがうねうねと張られていてチェックインカウンターになかなかたどり着けない。 きっと2時間前はここが大行列だったんだろうな。長い蛇行歩行の末にたどり着いたカウンターでは、オンラインではうまくできなかった チェックインとクレジットカードの登録をしてもらい、クルーズカードを渡される。ESTAの番号かプリントアウトを見せてと言われ、荷物をかき混ぜて出すことになった。私が見たYouTuberはほとんど アメリカ人だったので、そんなことは教えてくれなかったよ。

船に入ったのは13時。そこからすぐにクルーズカードに記載されている 緊急時の集合場所に行き、 スキャンしてもらって避難訓練 終了。あとは 部屋に入れますというアナウンスまで適当に待ってと言われる。 適当と言われたってどこのカフェもバーも ロビーも、もちろんバフェも部屋が空くのを待つ人でいっぱい。 みんな朝から並んでうんざりした表情で、だらしなく 椅子に寝そべって、見ているこっちもうんざりしてくる。(YouTuberたちの言っていた通り) 仕方ない 船内探検をしようとうろうろしているうちに14時40分。私たちの部屋があるフロアは入れますよとアナウンスがあった。

船に入ってアプリにつながったら、念のため レストランやショーの予約を確認するのがいい。 取れなかったものが取れたり、時間を動かしたりが 乗船前より簡単にできる。これをするための座る場所がなかなか見つからないんだけどね。

お部屋は 14階のMAバルコニー 14800号室。バルコニーの中では最上級で、上層階・真ん中の位置にある。かつては ジュニアスイートの扱いで バスタブ もあったのだけど、新しい船は ジュニアスイートをなくして バスタブも設置しなくなった。

アラスカ や北欧のフィヨルドなど、 寒くて景色がいいところをクルーズする時は、 船尾のバルコニー付きのお部屋が いいと思う。船体に遮られて風が来ないので、バルコニーで船の後ろに続く景色をずっと楽しむことができる。予約受付開始とともに一番最初になくなってしまう お部屋 なんだけどね。お値段もだいぶ 高かった。

17万トンと大きな船 なのに、エレベーターが前方と後方の2箇所しかない。なので真ん中の部屋は前に行くにも後ろに行くにもけっこう歩く必要があった。歩くのも運動のうちと思っていたけれど、メインダイニングやスパに行くのに前なのか後ろなのかわからなくなってしまう。1‐2回なら笑ってすますけど、何度も違う方に出ちゃうとがっくりする。クルーズ最終日までには、覚えられるけどね。
廊下を歩いている間は、ドアアートとでもいうべき、キャビンのドアの外側にマグネットをペタペタ貼っている部屋を見て歩くのが楽しかった。隣の部屋のファミリーは、ドアにホワイトボードを貼り付けて、「私たちはテキサスから来ました。あなたは?」なんて書いたりして。たちまち通りすがりの人のコメントでいっぱいになっていた。 私もTokyoと書いたよ。

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3 久しぶりのメインダイニング

今回は普通のバルコニーでの予約だったので、ダイニングは久しぶりにメインダイニングとなった。前回のクイーン・エリザベスではプリンセスグリルに。その前のセレブリティ・エッジではアクアクラスのレストランブルーに行ったのだけれど。

ノルウェージャンの船は、スペシャルティ レストランが充実していて、味はなかなかだ。前回乗ったブリスでは、 イタリアンが美味しくて、今までアメリカで食べた中で一番美味しいパスタだなんて感想を 旅行記 に書いている。
なので船の上でレストラン パッケージを追加で購入し、7泊のうち5回スペシャルティ レストランに行った。

スペシャルティレストランに加えて、実はメインダイニングもなかなか美味しかった。何より空いていていて、あまり待つことなく すぐに通されて、料理もすぐ出てくるのが良かった。
この船の ウエイターはほとんどが フィリピン人だった。 みんな フレンドリーで、入れ替わり 立ち返り やってきては、私たちが日本人だとわかるとニッポンが大好きーみたいに言ってくれる。
フリー シーティングで時間も適当に行っても楽しく食事ができるのは良かった。 ついつい ドリンク パッケージよりお値段が良いワインを頼んでしまって、追加の支払いが増えてしまうのだけれど。

私たちはスタンダードドリンクパッケージにしていたので、出てくるワインはまあそこそこ。 特に スパークリングが ちょっと甘くて すぐ飽きてしまった。プレミアムのドリンクにするには、一杯あたりの差額を払えばいいと聞いて、気が大きくなってジャカジャカ注文。まあ しょうがないね。 人生を楽しむって決めたんだからね。

朝食もほとんど メインダイニングに行った。朝は混んでいる時があって、メニューから頼んだものはすぐ出てくるんだけれど、追加のカップやケチャップなど、なかなか届かない。 どうやら キッチンから配膳台までの距離が遠くて、時間がかかるみたいだった。

コーヒーミルクは、日本では醤油やわさびが入ってるような小袋に入ってテーブルに置いてある。切れ目から袋を破って使うんだけど、これがなかなか指では切れない。向こうのテーブルに噛みちぎろうとしている人が見えると、やっぱりーと笑ってしまう。

なので、ノルウェージャン・アンコールのメインダイニングで朝食を食べる時は
・ コーヒーと紅茶 両方が飲みたくなった時のための 予備のカップ
・ コーヒーミルクの小袋を開けるためのハサミ
・ ケチャップの小さな瓶
を持って行くのがいいと思う。

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4ダンサーのいない船(エンターテインメントについて)

7泊のクルーズでのシアターのショーは
・予約が必要なクワイア・オブ・メンが 同じ内容で 2晩
・同じ人たちが 年代や 衣装を変えて違う曲を演奏する ビートルズ ショーが4晩
だった。

クワイア・オブ・メン は8人の男性コーラス+4人のバンドで、ビートルズは4人組。 ショーにバックダンサーはいない 。 オーケストラ バンド もない。 つまり この船のシアター に出てくるのはたったの16人 なのだ。

これに気づいた時には、愕然とした。
ダンサーがいない 船に乗っちゃったの?

クワイア・オブ・メンの8人の男声合唱は迫力があってさすがに感動した。 イギリス英語を話す人たちの会話は聞きにくかったけど、あんまり セリフがなくて歌が多かったし。むっちりしている役者が、バーを想定した舞台のテーブルに 飛び乗って体を揺すって歌うのは楽しく見た。

ビートルズバンドは、 バンド少年だったGに言わせれば、「今まで見たどのビートルズそっくりさんバンドよりも、頑張っている」そうだけど。私にすれば、マッシュルームカットもポールが左利きでギターを弾くのも、わざと訛ったイギリス英語でしゃべるのも、またかという感じ。
そのビートルズ4人組がクルーズ中に演奏する曲を変えて4回もショーをやる。Gはもちろん全部見る気満々だったけど、私は飽きそうだなあと思っていた。結論から言えば、演奏する曲の時代が進むにつれて、だんだん楽しくなったんだけど。

でもね、やっぱりクルーズでは大きな舞台で ダンサーズの迫力のショーが見たいよね。 ダンサーが乗ってない船って、、、プロダクションショーが1回しかないなんて、、、。 ショックでした。

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5 寄港地で、鮭に会えなかった。(寄港地でもケチケチ)

まずは最初の寄港地ジュノーにて。出発後丸1日の終日航海の後、3日目に到着。
この日は午後の停泊の予定で、港にはすでに4隻が港に停泊。私たちの前の日にシアトルを出発していった、ブリスまで居るではないか。
ブリスちゃんまた会えたねー、隣に並ぶのかなと喜んだのもつかの間、ブリスはしずしずと出発。そして私たちの乗っているアンコールがそのあと同じふ頭に滑り込んだ。なんとまあ、ジュノーの埠頭を同じ船会社の船が午前と午後で分けて使って、港湾料を節約してるってこと? ドケチ作戦に笑ってしまった。

ジュノーの繁華街まではちょっと遠かったけど、歩数稼ぎに歩く。この時は遠いところに停泊してツアー代を稼ごうとしている船会社の作戦に気づいていなかったのだ。
町に向かってぞろぞろと歩く船のお客さんたちの中から日本語が聞こえてきたので、思わおず声をかける。初めてノルウェイジャンに乗った日本人女子2人組で、お互い数少ない日本人乗客の中から会えたことに驚く。(前の日に私がレセプションで聞いたところでは、この定員4000人の船には、日本国籍の人がたった12人しか乗っていないそうだ。 中国人は50人と言っていたので、日本人は圧倒的マイノリティであった。 )
彼女たちは夜のホエールウォッチングツアーに行くと言っていた。アラスカは8月でも夜9時ぐらいまで明るいので、充分見えるんじゃないかな。でも寒かっただろうなあ。

私たちはその夜は期待のフレンチレストランを予約していたので、あまり時間がない。いい位置にどかんと停泊するウエステルダムとオベーションと、そのそばから山のてっぺんに登るロープウェーを見上げ、アラスカと描かれた手袋を買い、船に戻る。雨が降って急に寒くなったので、帰りはシャトルバスに乗っちゃったけど、じゅうぶん歩数は稼げた。

4日目のスキャグウエイでは、朝から夜まで13時間も停泊と最長だ。そして船の目の前にゴールドラッシュ時代の鉄道を再現したホワイトパストレインの駅がある。クルーズ船のお客さんはみんな この列車に乗って山の奥まで入り、ゴールドラッシュ時代の荒くれ者だった自分たちの先祖たちの気分を味わうのだ。

私は船に乗るのは好きだけど、列車はそんなでもない。だって船より揺れるでしょう? なので船会社の思惑に反して、200ドル以上もするチケットは買わなかった。
列車に乗る以外何もない小さな町スキャッグウェイだけど、昔は ゴールドラッシュで栄えたんだという歴史の展示があちこちにある。

今回アラスカに来る前に新田次郎の「アラスカ物語」を読んだので、その記述にもあったアラスカでの人々の厳しい暮らしぶりがありありと目に浮かぶ。

「アラスカ物語」は、クジラやアザラシの生肉を食べていたエスキモーの長となって鉱山開発をした日本人フランク安田が主人公だ。それに対してスキャグウエイの湊の展示は、ゴールドラッシュに惹かれて南からやってきた荒くれものたちの視点で作られているので、こんなきれいごとじゃなかったよねえと言いたくなるけどね。
それにアラスカ物語で人々が活動するエリアは、広大な大陸の北の奥(北極圏内)。スキャグウエイなんてアラスカの南の端のほんの入り口にすぎなかったのだ。人間て、お金が儲かるとなると何でもするのね、とつくづく思い知らされます。

5日目はアラスカクルーズ名物「グレーシャーベイクルーズ」。つまり氷河がせり出す湾内に船で行き、船から氷河見物するのだ。
いつもより早めに部屋を出て、船の先頭の15階と16階をぶち抜いたオベーションラウンジに行く。朝早くから場所取り合戦でゴロゴロと寝転ぶ人たちで見栄えが悪いとアメリカ人のクルーズYouTuberが言っていたので見物だ。確かに朝7時頃にはもうほぼ、景色がいいところは 場所が確保されていた。

私たちは、あらかじめクルーズ中全日使えるパッケージを買っていたスパに行く。150人限定でスパが混むことはないと言われたけれども、本当かな? 一つしかないウエットサウナや景色がよく見える位置の寝椅子はいつもけっこうな混みようだ。
でもまあ、オベーションラウンジほどではないので、暖かい石の寝椅子に寝そべって、だんだん近づいてくる氷河を眺める。。
といっても雪がほとんど解けた黒い山の谷間からちょろっと舌を出すように青白い氷河が見えるだけなんだけどね。

5月や6月だったら氷河はもうちょっと大きかったのかな。でもやはり地球温暖化の影響は大きい。 1750年ぐらいまでは入ってきた湾の外まではみ出すように氷河はあったけれど、今はどんどん後退していると レクチャーでも言っていた。

窓際に立って 外を眺めていると、いつの間にか人が後ろに来て「何か見えるの?」と聞く。「いやいや、外を見てただけ」 と笑って答えるんだけれど。そして「あなたは何か見ましたか?」と聞くと、まだ見ないと言う返事。 それぐらい氷河や動物を見る機会は少なかった。鯨の潮吹きがちょろっと見えただけ。
どこの港からもヘリコプターで氷河の頂上に行ったり、小型船でホエールウォッチングに行ったり。そういうツアーがバンバン出ていてけっこうな人気だった。アラスカで氷河に触れたり動物に出会ったりするには、さらに奥に行く有料のツアーを申し込む必要があるのかな。

6日目のケチカンでは大失敗。
15年前にケチカンにセレブリティ来た時は、船の真ん前が町で川があり、鮭が遡上するサーモンラダー(=鮭のはしご登り)もすぐそこだった。

部屋のモニターに映し出されるケチカンのポートマップにも、懐かしい町の地図が映し出される。そうそう、こんなだったよね。ここが船着き場で、ここが川で橋。このサーモンラダーにまた行って、サケの遡上を見て元気をもらおう!と楽しみにしていた。ケチカンでの停泊時間は7時半から13時半までと短いけれど、昼前にちょっと船を降りて川までお散歩しよう、と。

ところが、船を降りて、あれ? 目の前に町がない。川もない。お土産物が並ぶ巨大なショッピングセンターがドカンとあるだけだ。
しばらくショッピングセンターの中と外をうろうろした後、ようやく見つけたセンターの隅の案内所に行ってみた。「川はどこですか?」と聞く私に、カウンターのおじさんは、近くに川はないよ。と言う。タクシーに乗って行かなくちゃね、と。前に来たときは、すぐそこが川だったんだけど…。キョトンとする私に、おじさんは気の毒そうに言う。それはここからxxマイル先の町のことだよ。(でもタクシーなんて見当たらない)呆然とする私がわかっていないと思ったのか、おじさんは言い直した。「10キロ先だよ。とても歩いては行けない。」

つまり、この船は「ノルウェージャンの船のために特設された最新のケチカンの埠頭」に停泊している。そこはケチカンの町の中心からは7マイル(ホントは12キロ以上)離れていて、特別に運行される無料のシャトルバスに乗ってなんと30分もかかる。そしてそのシャトルバスは、行きは9時半港発が最終便。帰りは11時町発が最終便。

朝起きた時から、船の中がシーンとしていたわけが、今わかった。みなさん早起きしてツアーバスやシャトルバスで出かけたってことだったのね。
鮭のはしごが見たかった私は悔しくてたまらない。15年前にセレブリティで来たときは、川は歩いてすぐのところにあった。鮭たちは人生最後の力を振り絞って、はしごのような滝を登っていた。あれから15年たってまたそんな鮭たちを見て私はどんな力をもらうのか。自分で自分を見てみたかったんだけれどね。自分の居場所もわからずに近くにすら行けないとは。。。なんというお粗末な私の人生。

7日目ヴィクトリア
夜の8時から3時間だけ停泊 というカポタージュ規制のためだけの寄港。この港に来るのはもう3回目だし、前回ブリスで来た時には昼間の停泊で町巡りツアーに行ったから上陸はしなかった。その時のガイドさんが言っていたけれど、カナダのお金持ちが集う別荘地だそうで。 だから1回くらいは街並みを見ておくのはいいと思う。
最終日の最後のビートルズショーの後には、フェアウェルパーティーがシアターであった。オフィサーズが勢揃い。セントルシア出身の カリビアンのクルーズ ディレクターが 上手に盛り上げてくれて楽しかった。
フェアウェルの最後を飾ったのは、ビートルズでもラウンジで人気だった女性シンガーでもなく、いつも ビュッフェの入り口にいた Washy washyチームだった。みんな大笑い。もっとこういうノリノリのエンターテインメントが見たかったなあ。

下船日 シアトル(チップ考)
朝起きたら目の前に大都会シアトルが広がっていた。今回は一泊の後泊があるので、下船は一番最後の組9時半。それでも9時過ぎには部屋を出てとアナウンスされ、船外に。
シアトルにクルーズで定刻に戻れば、余裕でその日の13時半の便に乗れるとわかった。

悪天候やエンジントラブルで船が遅れることがないとは言い切れないので、下船日の後泊は飛行機のチケットを買いなおさない保険と思ってもいいかもしれない。 シアトルの街も楽しめるしね。

そうそう。部屋を出るときに部屋に置く枕銭について。念のため英語で検索してみたら「今時20ドルじゃ、侮辱レベル。せめて40ドルから。子供がいたりして手間がかかったら100ドルぐらい。」と書いてあって仰天した。そうか、やっぱり。
日本発着の外国船だって、きっと外国人はこれぐらいしているんだろうなあ。そういう船で日本人へのサービスが悪いという話を聞くにつれ、ちゃんとチップを渡さないからじゃないの?と思うようになった。

検索した中で、面白かったのはこれ。
250ドルを1ドル・5ドルを多め、残りは10ドルと20ドルのお札で持っていて、1ドル札はバーで飲み物が来るたびに。 なじみの バーテンができて 名前を覚えたり 好みを覚えてくれたり良くしてくれたら、最後に 封筒に20ドル ぐらい入れて渡す。
部屋係は最初に25ドル。 最後にまた同じ額か サービスの良さによって ちょっと多い ぐらい渡す。
ウェイターは食事のたびに変わったら、食事の最後に 5ドル をテーブルに置く。 同じ人がずっと面倒を見てくれたら 最後に 封筒に入れて多めの金額を メインウェイターとアシスタント ウェイターそれぞれに渡す。

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6 コロナ以降のアメリカは

・まずはネット
2019年のゴールデンウィークにロス発のクルーズをして以来、すごく久しぶりにアメリカにやってきた。場所は シアトル。直行便で約9時間。成田を午後6時に出発すると到着はシアトルの午前10時半になる。 お昼過ぎにはノルウェージャンのクルーズターミナルの真ん前のマリオット ウォーターフロントにチェックインしていた。

シアトルに 着いて一番最初に試みたのは、SIMカードの購入だ。色々な E-SIMがネットで日本にいながら事前購入できるけど、アラスカの寄港地もカバーするのは、どうやらAT&Tの E-SIM だけみたい(2024年8月現在)。空港で探したけれども、SIMカード自体売っていない。昨年バルセロナの空港ではちゃんと買えたのに。ホテルのお兄さんにAT&Tのショップを聞き、歩いても10分ぐらいだよと言われ、地図にぐるぐる 丸をつけてもらって張り切って出かける。

外に出てびっくり。シアトルはけっこうな坂の町なのだ。 ネットがないから Uber も呼べず、タクシーで来たから 気づかなかった 。ウォーターフロントからダウンタウンに歩いて行くには、すごい 階段か エレベーターを上がらなくてはいけない。( このエレベーターが2回に1回は故障中の表示なのだ。やれやれ。) 時差ボケ解消には日光に当たって運動だ!と 気を取り直して出かける。
何せ日本の夏を逃れてやって来た私たちだ。気温は30度近くと高かったけれど、カラッとしたシアトルの空気はとっても気持ちが良いのだ。

AT&Tショップでは、順番待ち3番目ぐらいで30分ほど待ったかもしれない。嬉しそうにはしゃぎながら新商品の手続きをしている人たち、故障したみたい緊急なのとなんとか 割り込もうとするお姉さんなど、ああアメリカだなあと見ているだけで楽しくなってくるので時間は苦にならなかった。 担当してくれたお相撲さんみたいな黒人の店員さんは、高校生の時に日本語の授業をを2年ぐらい受けたけど すっかり忘れちゃったよ と言いながら、日本語仕様の iPhone にちゃんと EーSIM をセットしてくれた。 解除の方法も教わって1ヶ月分の料金+セット料・税金込みで60ドル なり。PC や携帯をつないでテザリングできたし、電話番号ももらえてタクシーや レストランの予約もできたので、まあまあ 便利に使えたと言える。 デザリングの速度は3.8と8.9 ぐらい。

・時差ぼけはいつくるか? 恐る恐るの初日
ネットが使えるようになってひと安心。こうなるといつ時差ボケが出て眠りに落ちるかわからない。フィッシュマーケットやその近くのオープンエアのレストランはとってもよさそうだったけど、今回は2泊前泊するから明日来よう。と、がまん、がまん。ホテルに戻る途中、安売りスーパーのターゲットのデリに寄り道して今日食べるサンドイッチと野菜サラダ、翌朝用のヨーグルトとチーズを購入。44ドルなりー。ホテルの部屋はアメリカンサイズで大きくて バルコニーも付いていてウォーターフロントが見える。レストランに食べに行かなくても部屋で食事するので十分景色が楽しめた。
わざわざ バスタブ付きの部屋を指定したからとゆっくりお風呂に入ったら、時刻はもう夕方だ。これでぱったり 眠くなるかなと思ったら、意外と元気。
それじゃあと港沿いを行けるところまでお散歩して戻って、ホテルの真ん前のレストラン"Anthony's Bell Street Diner"の、海際に並んだ外のテーブルで沈む夕陽を見ながらお食事。サラダに前菜に白身魚のグリルを注文。ワインは2人で3杯ぐらい。と軽く食べたつもりが、お値段は チップ を20%乗せたら170ドルになった。むむむ、これがアメリカの物価高の現実か。でもこれにめげていたらきっとアメリカは楽しめない。猛暑の日本で暑さに白目むいているより良かったでしょう?と自分に言い聞かせる。
日暮れとともに気温はどんどん下がって、体が冷え切ってブルブル震えながらホテルに戻る。バスタブにお湯をたっぷりためて温まり、今度こそぐっすり就寝。

・やっぱり海外旅行は楽しいな
シアトルに行って良かった。アメリカの中で一番というぐらいリベラルな町で、異人種カップルや同性カップルが多い。多様性を受け入れる包容力を感じた。(3ヶ月後の大統領選でのトランプの得票率は、たった22%。)
宿泊したマリオットホテルがシアトル美術館の無料入場券をくれたので、わーい、わーいと見に行ったんだけどね。古代から現代までのアートがずらり。世界中の歴史と多様性がよくわかる作りになっていて、その思想と工夫された展示に感心した。
もちろん影の部分もあって、それはヤク中のホームレスの多さ。ダウンタウンの街角ごとに人が座ったり立ったりして、ゆらゆら揺れている。タクシーの運転手さんが「シアトルはドラッグフリー(ドラッグが合法)だから、ああなっちゃうんだよ」と言っていた。「夜なんて、まるでゾンビがうようよいるみたいになるよ」と。
ゆらゆら揺れているだけの人たちには凶暴さは感じなかったけど、入ろうとしたスーパーマーケットの入口で警備員に訳のわからないことを喚いてる人がいた。さすがにその人の近くを通ってお店に入る気にはならなかった。

一番笑ったのは、シアトル2日目の夜に奮発して行った海辺のシーフードレストランで。タコの足の丸焼きをメニューに見つけて、こんなゲテモノ、アメリカじゃあ誰も頼まないんじゃない?とサーブしてくれたウエイターに言ったら、「そんなことないよ。このメニューは僕の一番の好物さ」なんて、しれっと言うのだ。このうまい具合にあしらいつつ、お互いに気分がよくなるアメリカらしいノリ、好きだなあ。

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2024年4月26日

2024年GW クィーン・エリザベス 有料アップグレードで、女王様の船でお姫様気分!

しがないサラリーマンを夫に持つと、ゴールデンウィークと盆暮れぐらいしかクルーズに行けなかった。けれど、そんな私たちの人生にもそろそろ変化の時期がやってきた。
サラリーマンの最後を飾る、ゼイタク旅行に行ってみない?というのは私の口実で、実は私自身が乗りたかったんだけどね。
ついに、女王様の船クィーン・エリザベスのお姫様のスイート(プリンセスグリル)をゲットー!
ほんとうは女王様の船の女王様のスイート(クィーンズグリル)が良かったんだけどね。支払いがクレジットカードの限度額を超えてしまうので断念した。来年もあるしね。(かなり本気)

目次
1 スイートへのアップグレードに挑戦
2 さーていよいよ、優先乗船だっ!
3 グリルスイートのお部屋とお食事
4 3日に一度のフォーマルナイト
5 エンターテイメント
6 寄港地では…
おまけ 来年はどうしましょ

1 スイートへのアップグレードに挑戦

クイーン・エリザベスの春の日本発着クルーズは毎年、値下げと完売満室のチキンレースだ。
値下げは前年9月初めのレイバーデーセールあたりから始まる。 2023年のゴールデンウィークの日本発着の価格は、このレイバーデイセールが最安値だった。 なので、2024年のゴールデンウィークの予約も、2023年の 9月に決行。いつものバルコニーのお部屋で。 だってスイートは値下げの対象にならず、一番安いスイートで一人6999ドルもしたのだから。

ところが、2024年のゴールデンウィークの日本発着クルーズはどれも、2024年が明けても大量に売れ残っている。 2023年ゴールデンウィークの、コロナ五類直前のクルーズはあんなに 満室表示が多かったのに。 なんで?

嫌な予感の通り、2024年春のクイーン・エリザベス日本発着は、2024年2月のチャイニーズニューイヤーセールから、スイートの値下げも始まった。
ええー、6999ドルもしたスイートが3000ドル台に!?  半額とは何とお得な。

私のバルコニーの予約は、もうキャンセル違約金発生期間に入っているので、取り直しができない。
去年の9月になんて予約しないで翌年まで待てばよかったとどれだけ悔しい思いをしたか。(注:あくまでスイートを予約するなら、です。バルコニーは早々に満室になりました。)

スイートは出発2カ月前に大幅値下げをしたのにそれでも売れないらしく、すでにキャンセル期間に入っているお客様を対象にした、有料アップグレード入札のお誘いも始まった。
これは入札するしかないんじゃないの? というわけで。 一番安いスイートの最低入札価格にちょっと上乗せをして、ビッドを入れる。待つことしばし。そしてついに来た。 プリンセススイートにアップグレードしてあげるよとのオファーが。 やったーーー! 人生で何度目かの、望外の喜びだ。

プリンセススイートの特典はこれ。
・プリンセス・グリルでの専用テーブル:最上階11階の特別フロアにある
・広々としたラウンジエリア:-最上階11階のレストランの反対側に
・バスタブ付きバスルーム:バスタブはやっぱり嬉しい
・ご乗船時のスパークリングワインとチョコレート:フルボトルで。去年のクラブバルコニーはハーフボトルだった
・バラエティ豊かなピロー・コンシェルジュ・メニュー:薄い羽毛枕をリクエストしたけど、そういうのはなかった
・プライベートバルコニー:多少広いかな
・紅茶とコーヒーメーカー:この船の紅茶はどこもティーバッグ
・無料のミネラルウォーター:大きなボトルでたっぷり届く
・毎日お届けする新鮮なフルーツ:無かったな。なのでバフェで取ってきた
・24時間ルームサービス:どの部屋も同じ
・グリルズ・アフタヌーン・ティー(グリルズ・ラウンジ):お茶飲むとトイレが近くなると夫が嫌がり行かず
・スイート内でのお食事(プリンセス・グリルのメニューからご注文):これは良かった。後述します。
・グリル・ラウンジと屋外グリル・テラス、グリル・コートヤードのご利用(クイーン・ヴィクトリアとクイーン・エリザベスのみ)。:てっきりジャグジーがあると思い込んでいたんだけど、なかった。残念。
・グリル・コンシェルジュ・サービスのご利用(レストランやツアー予約):日本人コンシェルジュもシフトで入ってました。 ・優先乗下船:優先される人が多くて、乗船時は割と待った。

その上のクィーンズスイートは、さらに
・クイーンズ・グリルでの専用テーブル
・生花
・バスタブとウォークインシャワー付きバスルーム
・双眼鏡と世界地図
・お好きなワインまたはスピリッツ2本とソフトドリンクが含まれる無料のミニバー
・毎日お届けする食前のカナッペ
・ご乗船時のシャンパン1本とチョコレート1箱
・スイート内でのお食事(クイーンズ・グリルのメニューからご注文)
・専属のバトラーと客室係(昼夜を問わずスイート内を完璧な状態に保ちます)
・優先テンダーサービス(Q1、Q2、Q3、Q4スイートのお客様)
・iPad(一部のスイートのみ)

こうしてみると、最上級のクイーンズ・スイートの特典はやっぱりすごい。私たちの部屋の隣にクイーンズ・スイート(上から2番目のQ2スイート)があったけれど、廊下がちょっと引っ込んだ入り口のところに、セキュリティガードのようにいつもバトラーが待機していた。立ちっぱなしでご苦労様です。

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2 さーていよいよ、優先乗船だっ!

乗船日当日はもう朝早くから気もそぞろ。うちの隣の区にある東京クルーズターミナルから初めて乗船するのだ。11時14分には着いてしまった。
乗船口にはまず、長テーブルがずらりと並んでいて、係員が何人も待機している。そのテーブルの前に1組ずつ案内され、乗船券を読み込んでもらい内容を確認。私は写真が鮮明じゃないからとその場で撮影のし直し。
係員はまだ操作に慣れないいらしく、えーっとえーっと画面を繰る手つきがもどかしい。その年配の男性は大変済まながっていたけれど、その後数人分もこなせばすぐにできるようになったはず。私たちはその練習台と思えば、時間がかかるのもしょうがない。
書類にOKボーディングのハンコをもらっても、さらにその奥で椅子に座って待つ。優先乗船(スイートと、プラチナ以上の上級会員)と、優先乗船じゃない人にウェイティングエリアは分けられているけれど、両方とも同じぐらいのたくさんの人がいる。
スイートのお客様を引き連れたどっかの旅行社の添乗員が、「せっかく早く来ても、ここで12時まで待たなきゃいけないんですよ」と説明している。優先乗船じゃない人は12時の優先乗船開始からさらに待たされるはずだ。早く行ってもあんまり意味がないかも。
けっきょく船内に入れたのは12時20分くらい。バフェならオープンしているけれど、お部屋に入れるのも、バフェ以外のレストランのオープンも13時からとのこと。なので、私たちはまっすぐ、グリルクラスのクラブラウンジへ行った。コーヒー・お茶(無料)やビールやワイン(有料)などをを出してくれる。

乗船日は明日からゴールデンウィークが始まるという最後の平日だった。なんと夫のGは、この日は在宅勤務のふりをして、職場に内緒で船にやってきたらしい。クラブラウンジに座るやいなやパソコンを広げて、必死に仕事をしている。まったくあなたはいつまでこんなことを続けるのですか。。。?
Gをラウンジに残して、私ひとりでグリルクラスのお客様しか入れないコートヤードやグリルズテラスを見て回る。ジャグジーかなと思っていた図面上の楕円の印は、望遠鏡が置かれた台であることが判明。スイート専用のジャグジーに浸かることを夢見ていた私は、がっかり。グリルテラスにジャグジーがあるのは、この船より大きい姉妹女王船の、クイーン・アンとクイーン・メリー2のようだ。

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3 グリルスイートのお部屋とお食事

プリンセスグリルスイートのお部屋は、手前がベッド・奥に3人がゆったり座れるソファーベッドがある造り。ベッドとソファーの間の天井近くに、2つのテレビがそれぞれベッド向きとソファー向きに付いている。
ダイヤモンド・プリンセスのジュニアスイートと似たつくりと思う。

テレビの船内チャンネルで、イギリス王室やキュナードの歴史、寄港地の説明といったレクチャーをよくやるので、部屋のどこにいても画面が見えるのは便利だった。
テーブルの上のスパークリングワインはフルボトルで、ハーフボトルだったクラブバルコニー以下とそこが違う。気が抜けないための泡用栓もちゃんと置いてあって、感心する。(うちの場合、トランクにいつも2-3個入っているのだけど)
デスクも広くて、パソコン作業が便利だった。でもネットは昨年と同じく、最初は大変遅くてパブリックスペースに行ってつなげる必要があった。それが3日目ぐらいから突然部屋でもつながるようになって、助かった。つながったりつながらなくなったりは、どの船でもよくあることみたい。
船の中央の少し出っ張ったところに部屋があるので、景色もよい。水先案内人がパイロットボートから船に乗り移るところも、ちゃんと見えた。部屋のベランダから見たのは初めてじゃないかな。嬉しかった。
有料アップグレードでは、部屋の階数や番号は選べない。7階のお部屋が当たったので、プールデッキに上がるには二つ階段を、グリルレストランに行くには四つ上がらなければならない。それも運動になって丁度いいや、と思うことにした。フォーマルデイにワイングラス片手に草履をバタバタいわせて階段を上がっていたら、グリルレストランの前に立っていたオフィサー達に笑われちゃったけど。 乗船日のランチタイムから、さっそくプリンセスグリルに行く。私たちの席は指定どおりの窓際だった。お隣のテーブルには日本人の男性2人が来る。日本語のナイショ話が丸聞こえになる距離だ。後ろはイギリス系のカップルと、英語が全く話せない様子のアジア系のカップル。イギリス系の2人がなんやかんやと話しかけても会話にならないのでお気の毒だった。
食事の後グリルラウンジに行ったら、そこに居るコンシェルジュに日本人のお客様がテーブルは他に変えられないのかと質問している。予想通りきっぱり断るコンシェルジュ。
去年のクラブレストランも、今年のグリル(スイート)レストランも、行く時間が自由の代わりに、席はずっと固定。よっぽどの理由を言わないと、替えてもらえないと思う。逆にどんな理由を言ったら替えてもらえるのか、試してみたい気がする。 コロナ前だけどコスタでバルト海に行った時の相席のテーブル(お部屋のランクによりその時はメインダイニング)が、私たちとは合わない感じのアジア系ファミリーだったことがあった。様子を見かねたウエイターが、テーブルを替えてもいいよと言ってくれたけれど、お食事の味もいまいちだったので、私たちは思い切って追加料金を払ってスイートレストランに行く権利を買ったのだった。出費は痛かったけど、やっぱりスイートレストランは味も違うし快適だった。コスタならそんなこともできたけどね。船会社によります。

さて、エリザベス女王様の船のお姫様のグリルレストラン、窓際の2人席は奥まっているので、サーブはすべて後ろからとなる。テーブルの横に立ってくれればウエイターといろいろおしゃべりするんだけど、そういう感じでもない。去年はお隣は口がきけないのかしらと思うぐらい静かなアジア系のカップルだったし、去年も今年もクルーズの話で周りのテーブルと盛り上がるという感じではなかった。
スイートクラス専用のグリルレストランは、11階のクラブ ラウンジのエレベーターホールをはさんだ反対側にある。クラブラウンジを背にして右と左に 同じデザインの入り口があり、カウンターの下をよく見ないと クイーンのお客様用なのか プリンセスのお客様用なのかがよくわからない。 慣れれば 立っているレストランマネージャーが違うのでわかるようになるのだけれど…。 初日のディナーに途中でトイレに行ったGは、 間違えて クイーンズスイート専用のレストランに戻ってしまった。「あれ、ボクのテーブルはどこだっけ?」と キョロキョロしているところを、後ろからあわてて追っかけてきたプリンセス レストランのマネージャーに、こっちこっちと連れ戻された。

プリンセスグリルのレストランでも、お料理はどれも美味しかった。小さめのポーションも含めてとってもよかった。
レストランマネージャーにスイートのグリルレストランとクラブレストラン、メインダイニングの味の違いはなんですかと聞いてみた。答えはサーブする人数が違うので、おいしい料理が出せるのですよとの事だった。
メインダイニングは1000人単位のお客様を相手に調理しサーブするけれど、スイート専用レストランやスペシャリティレストランのお客様はせいぜい100人程度。厨房からテーブルへの距離も近いし、1人のサービス係が担当するお客様の人数も少ない。ここが違うのだと胸を張って言う。
倍の値段の食材を使っていますからね。ハハハとか言って欲しかったけどね。だってクルーズ代金はそれぐらい違うし。食材も多少いいとは言っていたけど、最初に強調されたのは人数でした。サービスの人に聞いたからね。シェフに直接聞いたらもっと違う答えだったかな。
当日のお昼までに注文するアラカルトメニューがあることが、メインダイニングとの一番の違いかな、と思う。その日の日替わりメニューとは別の定番メニューで、ディナーの時にテーブルの横で調理して出来立てをサーブしてくれる。
プリンセスグリルでは、鴨のロースト+オレンジソース・シャトーブリアンビーフ(霜降り肉ってことかな)・ラムラック・ローストチキンなどなどが、メニューのアラカルトのところに載っている。前の年はブリタニアクラブのレストランで、定番アラカルトメニューがあったけれど、そのときよりだいぶ種類が多い。
クイーンズグリルはメニューになくても、言えば何でも用意してくれるらしい。

プリンセスグリルの特別メニューは、1口のガスコンロと材料、ブランデー、その他の調味料等などを積み込んだワゴンがガチャガチャガチャとテーブルの近くまでやってきて、今からこれを料理しますよ、とまずはご説明。
ジュージューと焼いた後、ブランデーを盛大に振りかけてボワっと炎が上がり、周囲のみんなが注目。そんな中、切り分けたスペシャルメニューがサイドディッシュとともにサーブされるのだ。

2日目ぐらいまではみんな様子見だったけど、クルーズも後半になるとあっちこっちで炎が上がる。スペシャルメニュー担当のジョンジョン(テンヤわんやの小さいほうの人にそっくり)は大忙しだった。
スペシャルメニューをメインディッシュに頼んじゃうと、日替わりのメインディッシュが食べられなくなっちゃうんだけどね。そのためランチの時にディナーのメニューも一緒に見せてくれて、スペシャルメニューにするか、その日のメインディッシュにするかを決めることができる。
たいていメインディッシュも珍しくて美味しそうなので、ものすごく悩んじゃうんだけどね。残念ながら両方食べるほど胃袋は大きくない。
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4 3日に一度のフォーマルナイト。

今回の 9泊のクルーズ ではフォーマルナイトが3回。
2日目の終日航海日 がブラック&ホワイト
5日目の終日航海日がマスカレード( 仮面舞踏会)
8日目の鹿児島寄港の日がレッド&ゴールドだった。

フォーマルナイトにおしゃれするのは、 私はけっこう好きだけれど、なにせ テーマが 去年と全く同じだ。 なので用意した衣装も仮面も去年と全く同じになってしまった。
同じ 訪問着を3回着るのもなあと思ったので、仮面舞踏会の日は狐のお面に合う 琉球絣の紬にしたのだけど…。 やっぱり 皆さん フォーマルの日は 訪問着 なので、だいぶ格落ち感がして恥ずかしかった。
言い訳だけど、貴重な琉球絣でその辺のリサイクルの訪問着よりずっといいお値段なんだけどね。 着物の世界はそういうの関係ないしね。

クルーズではやっぱりおしゃれが楽しい。フォーマルナイト写真集」は>>こちら
クルーズ ブラザーズ に送っていただいた写真を私が編集しました。
皆様すてきで、うっとり見ちゃいます。

アメリカ系の船ではフォーマル ナイトのドレスコードがどんどんゆるくなる中、イギリスの キュナードは けっこう 明確にフォーマルのドレスコードを決めている。
「Evenings on board」
他のお客様はフォーマルでのおしゃれを楽しみに乗船するんですよ とか、強制ではありませんが 特に大西洋横断クルーズでは タキシードのお客様が多いですよ とか。
「他の人はこうするんですよ」っていう日本の 村社会的な言い方、イギリス人もするんだなあ。

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5 エンターテインメント

去年も 今年も クイーン・エリザベスのショー や 音楽はまっとうで伝統的。
なにせ 船の真ん中にボールルームがあって、そこで毎晩生 バンドが 演奏している。そしてお客様 がドレスアップをしてひらりひらりと踊っている。私たちの 下手くそダンスでは とても仲間入りができないので、いいなあと 見ているだけ。それでも 男女2人のシンガーと 生バンドの演奏を聞くのはとっても楽しい。
船で数日を過ごすと、オーケストラ は 2組の編成で、 お気に入りのプレイヤーはあの人などだんだん楽しみが増えててくる。
生バンドは パブのゴールデン・ライオンでも演奏をする。この時ばかりは、「私たちの好きな音楽をやります!」とダンス音楽の縛りを離れてジャズを演奏してくれる。これがとっても良いのだ。

シアターのショーは去年とほぼ同じ。 シンガー も ダンサーも コケー ジャンばかりで、アメリカ風に ポリティカリーコレクトの人種まぜこぜのダンサー・シンガーに慣れている私にはちょっと居心地が悪い。
去年 さっぱり 意味不明だった ミュージカルは姿を消し、代わりに日英バイリンガルのバイオリニストと ソウルシンガーと言葉のいらない マジシャンが登場した。

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6 寄港地では

今回は本州を北上し、青森・秋田・釜山・長崎・鹿児島に寄港する旅程だった。
6000歩以上でマイルが貯まる JALウエルネスアプリを入れている私たちは、歩数稼ぎに港周りを歩いて回る。 地元の名物を食べたいけれど、港の案内所で聞くお店はどこも行列の満員。 コロナ後の旅行ブームを強く感じた。

5月2日の長崎では、クルーズの申し込みをした クルーズ ブラザーズの特典で無料ツアーが付いたので、 張り切って出かける。20人ぐらいの 日本人 アメリカ人 の混載ツアー。 コーディネーターはアメリカ人で、ガイドは日本人が英語で行った。

ご案内 より。
[まずは、稲佐山にロープウェイで上り 長崎市街の景色を楽しみます。その後、長崎平和公園 に向かい、公園内に散在する彫刻や モニュメント を鑑賞。原爆死没者追悼平和記念館を訪れた後、長崎原爆博物館及び長崎 平和記念ホールを見学します。]
どのパンフレットでもいちばん上に出てくるような定番コースだったけれど、どこも行ったことがなかったので楽しめた。
長崎原爆博物館は、外国人のお客さんがたくさん来ていて 神妙な気分になった。(住んでいたアメリカにもこういう博物館はたくさんあったけれど、私は行ったことがない。)
全部をじっくり見て回るにはとっても時間が足りない設定だった。 爆心地だったところは公園になっていて、ちょっと離れたところを地下に降りていくと、ガラス張りの向こうに当時のがれきがそのまま見える。溶けて固まったような土や金属の破片の間に、お皿やお茶碗のかけらのようなものもある。生々しく痛々しかった。
一番なるほどと思ったのは ツアコン ・サラの 、集合写真の撮り方。
みんなにオオウケ、そして私も真似してます。

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おまけ 来年はどうしましょ

この船に乗っていた時は、1年後はもう1ランクアップのクイーンズ・グリルに乗っちゃうぞと思っていたけれど。実のところ 2025年のゴールデンウィークのクイーン・エリザベスの予約は、(たぶん)日本の人たちでもういっぱいになっている。キャンセル違約金が発生する 2025年近くになれば、空室も出てくると思うけれど、値下がりするかどうかはわからない。さて、どうしたものかな。

ゴールデンウィークの日本発着クルーズは値段が跳ね上がるけれど、日本以外はホリデーシーズンではないので、実は海外に行く航空券代も海外発着のクルーズ代金も、そんなに前後の時期と違うわけではない。
サラリーマン時代の最後のゴールデンウイーク(とGが言う)は、やっぱり海外発着かな。 どうしたものか、次はどの船でどこに行こうか、あれこれ悩むのであった。


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2023年8月12日

2023年8月セレブリティ・エッジ:バルセロナからローマまで。 スペイン・フランス・イタリアクルーズ

2023年夏。3年も続いたコロナ禍がやっと終わった。2022年2月から始まった ウクライナ戦争はまだ続いている。この夏は地球が沸騰するぐらい異常な暑さだという。自分の寿命だっていつまで続くかわからない。 ならば、旅行するなら今じゃないの? まだ飛行機に乗れるうちに、行こうじゃないの地中海に。

というわけで選んだ船はセレブリティ・エッジ13万トン。私が大好きなセレブリティクルーズの、最新型の船だ。 就航は2018年。乗りたい乗りたいと言っているうちに、5年も経ってしまった。



目次
1 ヨーロッパは遠かった。
2 ついに乗船。エッジクラスのインフィニットベランダ
3 やっぱりセレブリティが好き。 お食事とエンターテイメント
4 真夏の地中海クルーズのドレスコードは
5 真夏の地中海の寄港地では…
おまけ 下船地チビタベッキアで見つけた過ごし方



1 ヨーロッパは遠かった。

覚悟を決めていたとは言え、ヨーロッパは遠かった。ロシアを回避して アラスカ上空から北極圏を飛ぶ14時間のフライトに ヘトヘトになった。
そのうえヒースローでの乗り継ぎ便が変更になり3時間待ち、さらにそのフライトが遅れて予定より5時間も遅くに出発地バルセロナに到着した。

前泊の旅程にしておいて本当に良かった。これで当日着だったら、翌日の寄港地バレンシアまで船を追いかけるところだった。
ロストバッケージも怖かった。コロナの時の飛行機の減便と人手不足が回復せず、飛行機の遅れ・欠航・ロストバッケージは当たり前になってしまった。旅行業界ニュースや人づてに、どれだけ恐ろしい話を聞いたことか。
実際、乗船2日目のディナーの時に隣の席になったスコットランド人のご夫婦は、ルフトハンザでロスバケしてイブニングシック(セレブリティのフォーマルナイトのこと)なのに着るものがないのと嘆いていた。私たちの荷物はちゃんとバルセロナまで付いてきてくれたけれど、他人事じゃなかったよ。
(その後このご夫婦は、乗船3日目のイビサで荷物を受け取れたそうです。)

前泊したのはバルセロナのエアポートホテル、フライ&スリープ。
空港内から荷物を載せたカートごと移動ができて便利。 できたばかりらしく部屋は清潔で機能的だった。( バスタブはないけど)

夕方到着の予定だったので、街に出てディナーも食べられるかなと思っていたけれども、まさかの5時間遅れの到着。時間は午前1時を回っていたので、シャワーを浴びて寝るしかできなかった。
翌朝は空港まで戻ってSIMカードをゲット。久しぶりなので設定に時間がかかってホテルを出るのが11時過ぎになってしまった。 待ちぼうけの夫Gのイライラは最高潮。やれやれ。私だって一秒も早く船に乗りたいけど、ネット接続も同じくらい大切なのだ。
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2 ついに乗船。エッジクラスのインフィニットベランダ

空港前から乗ったタクシーでバルセロナの港に着いたら昼の12時過ぎだった。 チェックインゲートはもう人で溢れている。予約したアクアクラスにはプライオリティチェックインは無いので(リトリート= Suiteだけだそうです)、くねくねと長い列に並ぶ。チェックインカウンターではパスポートとアプリを見せるだけなので、割と早く列は進んだ。

さーていよいよ乗船だ!
乗船したらすぐに、緊急時に集まる避難ステーションに行ってアプリをスキャンしてもらう。これで避難訓練が完了だから、コロナ後はずいぶん簡単になった。 乗船時のウエルカムシャンパンも、盛大に音楽が鳴りスタッフが並んでのお出迎えも無くなっていたけれど、コロナ後はいろいろ変わっているので仕方ない。

初めて通るエッジの船内は、一足ごとに驚いたり、ワクワクしたりする空間になっている。至る所に モダンな感じのアートや写真が飾られ、それを見て歩くのも楽しい。階段の踊り場にもそれぞれ違う写真や絵が飾ってあるので、シェイプアップのために階段を上るのも楽しみにもなる。
アクアクラスの専用レストラン「ブルー」に行く途中は、まるで「お台場で見たあの光の芸術 」たいな 暗がりの中に、珊瑚礁のお化けみたいなオブジェが乱立している。
ちょっとしたスペースには木で作った人型のオブジェが立っていて、つい Hi と挨拶したくなる。
春に乗ったクイーン・エリザベスの威厳ある伝統的なインテリアもよかったけど、私は断然こっちが好き。このセレブリティのセンスにいつまでも付いていけるように、自分の感覚も磨かなくちゃ。
そしてお部屋に直行。アクアクラス9245室のお部屋は、なるほど。エッジクラスに鳴り物入りで登場したインフィニットベランダで奥行きが広くなっている。

元の、扉を開けて出るとデッキチェアが置いてあるふつうのバルコニーのほうがよかったという人もいて、クルーズ好きのコミュニティ(英語)で賛否両論だった。けれど私は気に入った。だってバルコニーが室内スペースになった分お部屋が広くなるからね。Tokyoの狭小住宅に住んでいる私にとっては、船室はなるべく広い方がいいのです。
部屋にあるヨガマット(アクアクラスのお部屋には標準装備)を敷いて、風にあおられずにヨガやストレッチもできる。 ただし、このスペースは洗濯が趣味のGによってたちまち物干しスペースになってしまったのは言うまでもない。
なのでいつも通り、朝食後のストレッチやトレーニングはジムでした。その後は ソラリウムのアダルトオンリーのプールで泳いだり、ジャグジーに浸かったり。 最後は、ソラリウムの隣のアクアスパに行って、いろんなシャワーを浴びた後に、ターキッシュサウナに入る。これがいつもの日課になった。
有料のエンジンルームツアーにも行った。回ったのはキッチンとクルーエリアと船中央の司令室とエンジンルーム。洗濯室が見られると書いてあったので、楽しみにしていたんだけど、緊急の理由とかでなしになった。残念。
私たちが乗ったときは男性船長だったけれど、セレブリティ・エッジは業界初の女性船長が乗務してたこともあった。その影響か、エンジンルームでも司令室でも説明してくれたのは女性のオフィサーたち。カッコよくて、キラキラ眩しく輝いて見えたよ。

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3 やっぱりセレブリティが好き。 お食事とエンターテイメント

お部屋がアクアクラスだったので、アクアクラス専用のレストラン「Blu」で朝と夜は食事することができた。
メニューは、その日のスペシャルといつもある定番メニュー から選ぶことができる。野菜を多くしてとか、こっちのサイドディッシュをこのメインにつけてとか、いろいろ注文も聞いてくれる。
もちろん、着物に飛ぶからロブスター切ってーと言ったらちゃんとやってくれたよ。
ドリンクパッケージも付いていたけれど、アップグレードせずに「クラシック」のままだったので、追加料金が取られないドリンクであることを見極めて慎重に選ぶ必要があった。
クラシックパッケージで不便だったのはミネラルウォーターが 缶入りのソーダウォーターになるぐらいで、ちゃんとおいしいワインが飲めたけどね。
このBluレストランは外にも席があるので、テラスが日影の時は朝は外で食べた。テンダーボートがぶら下がっているエリアのすぐ横にレストランがあるので、室内のテーブルだとあまり景色がよくない。景色を楽しむなら、船の横についているマジックカーペット や 最上階のサンセットバー、最後尾でライブミュージックもやっている エデンに行くのがいい。

ショーやライブはやっぱりさすがセレブリティ。シアターやクラブの演目と時間を見比べて、いろいろ楽しめる。
初日はシアターはスタンダップコメディだったので早々に退散。「おーい帰らないでよ」と言われたけど、アメリカローカルネタなんてわかんないし。 なので行ってみたザ・クラブでは、なんとシンガー4人、ダンサー6人、エッジオーケストラ(ギター/ベース/ドラム)によるクラシックロックショーだった。
ビートルズ、ストーンズなど60年代からスプリングスティーンなど70年代まで。いきなり初日から「僕にドンピシャな演目」とG大喜びでした。
2日目は50年代 ロックンロールバンド"Jared Freiburg & The Vagabonds"。 ピアノのバンドマスターJaredの「僕が ピアノを始めたのは8歳の時。その時先生は、、、80歳だった。だから古い曲ばかりなんだ」から始まる 爆笑トークの連続。
売れないピアノ弾きで家族をどんなに心配させてきたかとか、最初のラスベガスの仕事をお母さんがこんな風に喜んでくれた とか、 ほろりとさせるのも忘れません。
3日目にやっとお待ちかねのプロダクションショー。 シンガー4人、ダンサー6人、空中ブランコ乗り4人の大人数で豪華絢爛のはずが、、、。あちこちで 色々な動きがあるのでどこを見ればいいか分からず、印象が拡散してしまった。
4日目の終日航海は、James Humphreysのロックオペラ。サウスウェールズ出身、ロンドンの音大卒の元オペラ歌手。
この人はオオウケけでした。 いかにもオペラ歌手という感じで堂々と出てきて朗々と歌い上げ、拍手がワーッと起こったところでトークが始まったら、なんとも可愛らしいオネエ言葉。
誰もが知ってるミュージカル、ポップス、ロック、ソウルの名曲を次々歌って、最後は "What A Night”。スタンディングオベーションの中、船内で見かけたら声をかけてね、なんて言う。実際ビュッフェでは、ジェームス、ジェームスと大人気だった。

5日目 ポルトフィーノ
シアターショーはシンガーズ・ダンサーズ・Aerialists(アクロバット)のプロダクションショー。ダンサーたちも上手だし一人ひとりのレベルは高いと思うんだけどね。
今まで出てきたソロのエンターテイナー達の才能に比べたら、なんだか「その他大勢の人たち」のフィルターがかかったように見てしまうのよね。
前日のJamesのショーが良かったので、この日のザ・クラブでのショーにももちろん行きましたとも。
こちらはお客さんとの距離が近くて、もっと盛り上がった。ティナ・ターナーのProud Maryではお客さんを自分の周りに集めて、本人が見えなくなっちゃったくらい。ラストのバラード曲はイギリス人は皆知っているらしくて、皆さん泣かんばかりだった。

6日目コルシカでは、3人目のソロエンターティナー、サルバドーレが登場。イタリア系チリ人で、ウェディングシンガーを10年もやった苦労人とのこと。
この人もやっぱり、爆笑を誘うトークと懐メロ中心の選曲で大盛り上がり。バックバンドはエッジオーケストラの7人で大迫力。
この人は、ギターを弾き、ピアノは手だけじゃなくお尻でも弾き、ハーモニカとサックスを吹き、ドラムを叩きながら歌う。オーケストラの本職プレイヤーとギター合戦、ドラム合戦があり、サックスを持てばオーケストラのラッパ3人と並んで吹いたりもする。
そして最後は、"We Are The World"でアーティストたちの声真似を利かせてくれた。ブルース・スプリングスティーン、シンディ・ローパー、ダリル・ホール、スティーヴィー・ワンダー、ボブ・ディラン、レイ・チャールズ・・・。なんというすごい才能。心の底から楽しませてもらえる音楽エンターテイメントだった。

最後の日は、シアターで3つ目のプロダクションショー。この日は嬉しいことにエッジオーケストラの生演奏+シンガーズ&ダンサーズで、空中曲芸Aerialistsはいなかった。テーマの"Feel The Funk"で、ファンクっぽいアレンジ。前2回のプロダクションショーに比べるとだんぜん良かった。これだけ見たらすごい感動したと思うんだけどね。エンターティナー3人のショーに比べると、観客の盛り上がりの差は歴然でした。
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4 真夏の地中海クルーズのドレスコードは

クルーズでは終日航海の日がフォーマルナイトだと 思っている人は多い。でも、セレブリティのエッジクラスはその常識をいろいろ変えたんだそうだ。
呼び方は「フォーマルナイト」ではなく、「イブニングシック」。 シックな装いだったら、ジーンズでもOK (でも破れてたらダメ)という触れ込みだ。 そしてこのイブニングシックの日は終日航海日ではなく、2日目と6日目だった。
今まで 何回もクルーズしてきたお客さんは、あんまりその新常識を知らないみたいだった。クルーズに慣れすぎていて、その日の船内新聞に掲載されているドレスコードを確かめたりもしないんだろうな。
2日目のイブニングシックの日に、あまりにもカジュアルな格好な人が多かったので、私はがっかりした。
でもね、4日目の終日航海日の日には、ドレスコードがカジュアルなのにおしゃれをしている人が多かった。 ジャケット率も 2日前のイブニング シックの時はほぼゼロだったのが5%ぐらい。みんな勘違いして今日が イブニング シックだと思ってるんだな。安心したのと同時に可笑しかった。
だから、セレブリティのエッジクラスに乗るなら、イブニングシックの日と終日航海日と、両方おしゃれをするのがいいと思う。

セレブリティクルーズの公式ページのドレスコードについての説明は>>こちら。 自分の好みで何を着てもいい感じだけど、破れたジーパンや出身大学のロゴが入ったトレーナーは部屋に置いたままにしておいてね、だって。
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5 真夏の地中海の寄港地では

2023年8月12日 バルセロナから乗船
8月13日 スペイン バレンシア
8月14日 スペイン イビサ島
8月15日 終日航海
8月16日 イタリア ポルトフィーノ
8月17日 フランス コルシカ島
8月18日 イタリア フローレンス
8月19日 チビタベッキア 下船

東京の猛暑に比べればややましな気温ではあったけれど、地中海もやっぱり暑かった。 木陰に入れば海風が吹いて気持ちいいけれど、日中に日なたを歩き回るのはだいぶ辛い。 私たちは寄港地ではどこに行ってもふらっと降りるだけだ。地中海の寄港地の繁華街は港から近いので、徒歩か10ユーロぐらいのシャトルバスに乗って街に行き、ぶらぶら歩いて適当なオープンテラスのカフェやレストランでランチを食べる。 メニューはたいてい英語のものがあるけれど、コルシカではフランス語のメニューしかなくて、初めてGoogleレンズを使ってメニューの日本語への翻訳に挑戦した。出てくる翻訳はわかるようなわからないような。
ワーワーやってたらウェイトレスさんが「日本のかたですか?」と話しかけてきた。なんとまあ、その方も日本人で、おすすめをいろいろ聞いて 参考にすることができた。 ポルトフィーノは、唯一のテンダーボート下船だった。 マジックカーペットからテンダーボートに乗るオペレーションは、スムーズに見えたけどやっぱり行列になる。 降りたはいいけど、帰って来るの大変だよね? 船から見えるテンダー乗り場はすごく狭そうで、日陰もない感じ。あんなところで行列して帰りのテンダーを待つのは嫌だなーーとめげる。 なので、船にずっといることにした。
昼間がらがらの船内を徘徊して、カフェでうだうだしてたら、ディナーの時によく合うソムリエにバッタリ遭遇。 こんな素敵な町になんで降りないの?と言われてちょっと後悔したけど、次の機会ということで。 8月18日のイタリア・フローレンスでは、ツアーに参加した。 だってクルーブラザーズからの予約特典で無料だったから。 お客様が多い旅程だと、こういう特典が時々付くのだ。
久しぶりに寄港地ツアー参加して、いやはや過酷だなと思った。 朝7時半集合で夕方の5時ぐらいまで。 20人ぐらいのグループが2人の先導者に導かれて、現地ガイド2人とともにバスとフェリーで移動。
船着場の隣にある古いお城のてっぺんまで登り、360度の絶景を堪能。 またフェリーに乗って、ポルトベネーレへ。ここも山のてっぺんにお城があって、みんなでぞろぞろと行く。 もうちょっとで頂上というところは石畳の広場になっていて、全く日影がない。 気温は30度越えなので、私は城壁の影に張り付いてみんなが戻ってくるのを 待っていた。 杖をついているようなご夫妻もちゃんとお城の上まで 上がっていた。すごいなあというか、私に根性が無いんだな。
その後は自由行動になって、ガイドさんたちも行くというレストランでやっとこさランチ(ツアー代金には含まれず)。地元料理を堪能した。この辺はジェノバに近いので、ジェノベーゼソースの料理 がいろいろある。 でもイタリアにはエアコンが効いた屋内のレストランやカフェなんてないので、とにかく暑くて、暑くて。 仕方なく冷たいものばっかり食べていたら、Gがお腹が痛くなってきたと言うし。
船からこんなに離れた場所でハライタのおじさんを抱えてどうしようかと思っちゃった。でもなんとか、またフェリーとバスを乗り継いで船に戻ってきた。
日差しが傾けば海からの風も気持ちよく、最後船までの 道はなかなか雰囲気が良かった。 夏のイタリアは本当はこの時間から後が賑わうんだよね。

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おまけ 下船地チビタベッキアで見つけた過ごし方

バルセロナから ローマへの1週間の片道クルーズも、 8月19日にチビタベッキアの港に到着して、とうとう終わりとなった。 レストランスタッフやキャビンアテンダントのインド人、ビジャイ・クマール君にお礼をして下船。船からのシャトルバスで、ローマ空港(FCO=レオナルド・ダ・ビンチ・フィウミチノ空港)に向かう。

空港からカートを押して行き、そばにある ヒルトンローマ・エアポートホテルにチェックイン。 これで明朝のフライトにも乗り遅れる心配がないので安心だ。

昼前の到着だったのに、空いているからどうぞとお部屋に入れてくれた。ホテルは古いけれど、レストランもあるし、ジムもあるし、室内プールにジャグジーまである。ひと通りこなしてちょっと昼寝をして休憩した後は、ホテルの前からタクシーに乗って、ネットで調べておいたフィウミチノビーチへ行った。
タクシーで20分くらいのフィウミチノビーチには、海沿いにレストランや小さなホテルが並んでいる。 その中のBBQ(Bi-Bi-Kiu)という海辺のレストランに入る。

お店に到着したのは午後6時半だったけど、まだ昼間のように明るくてお客は他に誰もいなかった。夕陽がきれいになってくるにつれて、だんだん増えてきて、私たちが出るころには満員に。 カラフェ・リトルというから小さいカラフェだと思って頼んだワインが1リッターもあって、かなり酔っぱらってしまう。
帰りはお店の人にタクシーを呼んでもらったのに、他の通りがかりの人に取られてしまった。もう一度呼んでもらったタクシーはなかなか来なくて、足元を見られて来るときの倍の料金を取られちゃったけど、歩いて帰るわけにもいかないから仕方ない。次にここに来るときには、用心してあまり飲みすぎないようにしましょう。

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<あとがき>
てな感じで、私たちの4年ぶりのヨーロッパ旅行が終わった。前回は2019年8月にコスタ・マジカで行ったバルト海クルーズ(>>旅行記はこちら。)で、ロシアのサンクト・ペテルブルグに一泊するという夢のような旅程だった。
その翌年からはコロナ禍が始まり、今はロシアとウクライナが戦争をしている。ロシアにクルーズで行くことは、もうできなくなってしまった。

なので今回、地中海に行っておいてよかった。そんな風に思ってしまう日が来ないことを願いつつ、また次の予定を考えている。

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私はクルーズが好きすぎて、旅行業の資格を取って、クルーズのお仕事を始めました。