2023年8月セレブリティ・エッジ:バルセロナからローマまで。 スペイン・フランス・イタリアクルーズ

2023年夏。3年も続いたコロナ禍がやっと終わった。2022年2月から始まった ウクライナ戦争はまだ続いている。この夏は地球が沸騰するぐらい異常な暑さだという。自分の寿命だっていつまで続くかわからない。 ならば、旅行するなら今じゃないの? まだ飛行機に乗れるうちに、行こうじゃないの地中海に。

というわけで選んだ船はセレブリティ・エッジ13万トン。私が大好きなセレブリティクルーズの、最新型の舩だ。 就航は2018年。乗りたい乗りたいと言っているうちに、5年も経ってしまった。



目次
1 ヨーロッパは遠かった。
2 ついに乗船。エッジクラスのインフィニットベランダ
3 やっぱりセレブリティが好き。 お食事とエンターテイメント
4 真夏の地中海クルーズのドレスコードは
5 真夏の地中海の寄港地では…
おまけ 下船地チビタベッキアで見つけた過ごし方



1 ヨーロッパは遠かった。

覚悟を決めていたとは言え、ヨーロッパは遠かった。ロシアを回避して アラスカ上空から北極圏を飛ぶ14時間のフライトに ヘトヘトになった。
そのうえヒースローでの乗り継ぎ便が変更になり3時間待ち、さらにそのフライトが遅れて予定より5時間も遅くに出発地バルセロナに到着した。

前泊の旅程にしておいて本当に良かった。これで当日着だったら、翌日の寄港地バレンシアまで船を追いかけるところだった。
ロストバッケージも怖かった。コロナの時の飛行機の減便と人手不足が回復せず、飛行機の遅れ・欠航・ロストバッケージは当たり前になってしまった。旅行業界ニュースや人づてに、どれだけ恐ろしい話を聞いたことか。
実際、乗船2日目のディナーの時に隣の席になったスコットランド人のご夫婦は、ルフトハンザでロスバケしてイブニングシック(セレブリティのフォーマルナイトのこと)なのに着るものがないのと嘆いていた。私たちの荷物はちゃんとバルセロナまで付いてきてくれたけれど、他人事じゃなかったよ。
(その後このご夫婦は、乗船3日目のイビサで荷物を受け取れたそうです。)

前泊したのはバルセロナのエアポートホテル、フライ&スリープ。
空港内から荷物を載せたカートごと移動ができて便利。 できたばかりらしく部屋は清潔で機能的だった。( バスタブはないけど)

夕方到着の予定だったので、街に出てディナーも食べられるかなと思っていたけれども、まさかの5時間遅れの到着。時間は午前1時を回っていたので、シャワーを浴びて寝るしかできなかった。
翌朝は空港まで戻ってSIMカードをゲット。久しぶりなので設定に時間がかかってホテルを出るのが11時過ぎになってしまった。 待ちぼうけの夫Gのイライラは最高潮。やれやれ。私だって一秒も早く船に乗りたいけど、ネット接続も同じくらい大切なのだ。
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2 ついに乗船。エッジクラスのインフィニットベランダ

空港前から乗ったタクシーでバルセロナの港に着いたら昼の12時過ぎだった。 チェックインゲートはもう人で溢れている。予約したアクアクラスにはプライオリティチェックインは無いので(リトリート= Suiteだけだそうです)、くねくねと長い列に並ぶ。チェックインカウンターではパスポートとアプリを見せるだけなので、割と早く列は進んだ。

さーていよいよ乗船だ!
乗船したらすぐに、緊急時に集まる避難ステーションに行ってアプリをスキャンしてもらう。これで避難訓練が完了だから、コロナ後はずいぶん簡単になった。 乗船時のウエルカムシャンパンも、盛大に音楽が鳴りスタッフが並んでのお出迎えも無くなっていたけれど、コロナ後はいろいろ変わっているので仕方ない。

初めて通るエッジの船内は、一足ごとに驚いたり、ワクワクしたりする空間になっている。至る所に モダンな感じのアートや写真が飾られ、それを見て歩くのも楽しい。階段の踊り場にもそれぞれ違う写真や絵が飾ってあるので、シェイプアップのために階段を上るのも楽しみにもなる。
アクアクラスの専用レストラン「ブルー」に行く途中は、まるで「お台場で見たあの光の芸術 」たいな 暗がりの中に、珊瑚礁のお化けみたいなオブジェが乱立している。
ちょっとしたスペースには木で作った人型のオブジェが立っていて、つい Hi と挨拶したくなる。
春に乗ったクイーン・エリザベスの威厳ある伝統的なインテリアもよかったけど、私は断然こっちが好き。このセレブリティのセンスにいつまでも付いていけるように、自分の感覚も磨かなくちゃ。
そしてお部屋に直行。アクアクラス9245室のお部屋は、なるほど。エッジクラスに鳴り物入りで登場したインフィニットベランダで奥行きが広くなっている。

元の、扉を開けて出るとデッキチェアが置いてあるふつうのバルコニーのほうがよかったという人もいて、クルーズ好きのコミュニティ(英語)で賛否両論だった。けれど私は気に入った。だってバルコニーが室内スペースになった分お部屋が広くなるからね。Tokyoの狭小住宅に住んでいる私にとっては、船室はなるべく広い方がいいのです。
部屋にあるヨガマット(アクアクラスのお部屋には標準装備)を敷いて、風にあおられずにヨガやストレッチもできる。 ただし、このスペースは洗濯が趣味のGによってたちまち物干しスペースになってしまったのは言うまでもない。
なのでいつも通り、朝食後のストレッチやトレーニングはジムでした。その後は ソラリウムのアダルトオンリーのプールで泳いだり、ジャグジーに浸かったり。 最後は、ソラリウムの隣のアクアスパに行って、いろんなシャワーを浴びた後に、ターキッシュサウナに入る。これがいつもの日課になった。
有料のエンジンルームツアーにも行った。回ったのはキッチンとクルーエリアと船中央の司令室とエンジンルーム。洗濯室が見られると書いてあったので、楽しみにしていたんだけど、緊急の理由とかでなしになった。残念。
セレブリティ・エッジは業界初の女性船長が乗務してたこともあったけど、私たちが乗ったときは男性船長だった。その影響か、エンジンルームでも司令室でも説明してくれたのは女性のオフィサーたち。カッコよくて、キラキラ眩しく輝いて見えたよ。

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3 やっぱりセレブリティが好き。 お食事とエンターテイメント

お部屋がアクアクラスだったので、アクアクラス専用のレストラン「Blu」で朝と夜は食事することができた。
メニューは、その日のスペシャルといつもある定番メニュー から選ぶことができる。野菜を多くしてとか、こっちのサイドディッシュをこのメインにつけてとか、いろいろ注文も聞いてくれる。
もちろん、着物に飛ぶからロブスター切ってーと言ったらちゃんとやってくれたよ。
ドリンクパッケージも付いていたけれど、アップグレードせずに「クラシック」のままだったので、追加料金が取られないドリンクであることを見極めて慎重に選ぶ必要があった。
クラシックパッケージで不便だったのはミネラルウォーターが 缶入りのソーダウォーターになるぐらいで、ちゃんとおいしいワインが飲めたけどね。
このBluレストランは外にも席があるので、テラスが日影の時は朝は外で食べた。テンダーボートがぶら下がっているエリアのすぐ横にレストランがあるので、室内のテーブルだとあまり景色がよくない。景色を楽しむなら、船の横についているマジックカーペット や 最上階のサンセットバー、最後尾でライブミュージックもやっている エデンに行くのがいい。

ショーやライブはやっぱりさすがセレブリティ。シアターやクラブの演目と時間を見比べて、いろいろ楽しめる。
初日はシアターはスタンダップコメディだったので早々に退散。「おーい帰らないでよ」と言われたけど、アメリカローカルネタなんてわかんないし。 なので行ってみたザ・クラブでは、なんとシンガー4人、ダンサー6人、エッジオーケストラ(ギター/ベース/ドラム)によるクラシックロックショーだった。
ビートルズ、ストーンズなど60年代からスプリングスティーンなど70年代まで。いきなり初日から「僕にドンピシャな演目」とG大喜びでした。
2日目は50年代 ロックンロールバンド"Jared Freiburg & The Vagabonds"。 ピアノのバンドマスターJaredの「僕が ピアノを始めたのは8歳の時。その時先生は、、、80歳だった。だから古い曲ばかりなんだ」から始まる 爆笑トークの連続。
売れないピアノ弾きで家族をどんなに心配させてきたかとか、最初のラスベガスの仕事をお母さんがこんな風に喜んでくれた とか、 ほろりとさせるのも忘れません。
3日目にやっとお待ちかねのプロダクションショー。 シンガー4人、ダンサー6人、空中ブランコ乗り4人の大人数で豪華絢爛のはずが、、、。あちこちで 色々な動きがあるのでどこを見ればいいか分からず、印象が拡散してしまった。
4日目の終日航海は、James Humphreysのロックオペラ。サウスウェールズ出身、ロンドンの音大卒の元オペラ歌手。
この人はオオウケけでした。 いかにもオペラ歌手という感じで堂々と出てきて朗々と歌い上げ、拍手がワーッと起こったところでトークが始まったら、なんとも可愛らしいオネエ言葉。
誰もが知ってるミュージカル、ポップス、ロック、ソウルの名曲を次々歌って、最後は "What A Night”。スタンディングオベーションの中、船内で見かけたら声をかけてね、なんて言う。実際ビュッフェでは、ジェームス、ジェームスと大人気だった。

5日目 ポルトフィーノ
シアターショーはシンガーズ・ダンサーズ・Aerialists(アクロバット)のプロダクションショー。ダンサーたちも上手だし一人ひとりのレベルは高いと思うんだけどね。
今まで出てきたソロのエンターテイナー達の才能に比べたら、なんだか「その他大勢の人たち」のフィルターがかかったように見てしまうのよね。
前日のJamesのショーが良かったので、この日のザ・クラブでのショーにももちろん行きましたとも。
こちらはお客さんとの距離が近くて、もっと盛り上がった。ティナ・ターナーのProud Maryではお客さんを自分の周りに集めて、本人が見えなくなっちゃったくらい。ラストのバラード曲はイギリス人は皆知っているらしくて、皆さん泣かんばかりだった。

6日目コルシカでは、3人目のソロエンターティナー、サルバドーレが登場。イタリア系チリ人で、ウェディングシンガーを10年もやった苦労人とのこと。
この人もやっぱり、爆笑を誘うトークと懐メロ中心の選曲で大盛り上がり。バックバンドはエッジオーケストラの7人で大迫力。
この人は、ギターを弾き、ピアノは手だけじゃなくお尻でも弾き、ハーモニカとサックスを吹き、ドラムを叩きながら歌う。オーケストラの本職プレイヤーとギター合戦、ドラム合戦があり、サックスを持てばオーケストラのラッパ3人と並んで吹いたりもする。
そして最後は、"We Are The World"でアーティストたちの声真似を利かせてくれた。ブルース・スプリングスティーン、シンディ・ローパー、ダリル・ホール、スティーヴィー・ワンダー、ボブ・ディラン、レイ・チャールズ・・・。なんというすごい才能。心の底から楽しませてもらえる音楽エンターテイメントだった。

最後の日は、シアターで3つ目のプロダクションショー。この日は嬉しいことにエッジオーケストラの生演奏+シンガーズ&ダンサーズで、空中曲芸Aerialistsはいなかった。テーマの"Feel The Funk"で、ファンクっぽいアレンジ。前2回のプロダクションショーに比べるとだんぜん良かった。これだけ見たらすごい感動したと思うんだけどね。エンターティナー3人のショーに比べると、観客の盛り上がりの差は歴然でした。
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4 真夏の地中海クルーズのドレスコードは

クルーズでは終日航海の日がフォーマルナイトだと 思っている人は多い。でも、セレブリティのエッジクラスはその常識をいろいろ変えたんだそうだ。
呼び方は「フォーマルナイト」ではなく、「イブニングシック」。 シックな装いだったら、ジーンズでもOK (でも破れてたらダメ)という触れ込みだ。 そしてこのイブニングシックの日は終日航海日ではなく、2日目と6日目だった。
今まで 何回もクルーズしてきたお客さんは、あんまりその新常識を知らないみたいだった。クルーズに慣れすぎていて、その日の船内新聞に掲載されているドレスコードを確かめたりもしないんだろうな。
2日目のイブニングシックの日に、あまりにもカジュアルな格好な人が多かったので、私はがっかりした。
でもね、4日目の終日航海日の日には、ドレスコードがカジュアルなのにおしゃれをしている人が多かった。 ジャケット率も 2日前のイブニング シックの時はほぼゼロだったのが5%ぐらい。みんな勘違いして今日が イブニング シックだと思ってるんだな。安心したのと同時に可笑しかった。
だから、セレブリティのエッジクラスに乗るなら、イブニングシックの日と終日航海日と、両方おしゃれをするのがいいと思う。

セレブリティクルーズの公式ページのドレスコードについての説明は>>こちら。 自分の好みで何を着てもいい感じだけど、破れたジーパンや出身大学のロゴが入ったトレーナーは部屋に置いたままにしておいてね、だって。
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5 真夏の地中海の寄港地では

2023年8月12日 バルセロナから乗船
8月13日 スペイン バレンシア
8月14日 スペイン イビサ島
8月15日 終日航海
8月16日 イタリア ポルトフィーノ
8月17日 フランス コルシカ島
8月18日 イタリア フローレンス
8月19日 チビタベッキア 下船

東京の猛暑に比べればややましな気温ではあったけれど、地中海もやっぱり暑かった。 木陰に入れば海風が吹いて気持ちいいけれど、日中に日なたを歩き回るのはだいぶ辛い。 私たちは寄港地ではどこに行ってもふらっと降りるだけだ。地中海の寄港地の繁華街は港から近いので、徒歩か10ユーロぐらいのシャトルバスに乗って街に行き、ぶらぶら歩いて適当なオープンテラスのカフェやレストランでランチを食べる。 メニューはたいてい英語のものがあるけれど、コルシカではフランス語のメニューしかなくて、初めてGoogleレンズを使ってメニューの日本語への翻訳に挑戦した。出てくる翻訳はわかるようなわからないような。
ワーワーやってたらウェイトレスさんが「日本のかたですか?」と話しかけてきた。なんとまあ、その方も日本人で、おすすめをいろいろ聞いて 参考にすることができた。 ポルトフィーノは、唯一のテンダーボート下船だった。 マジックカーペットからテンダーボートに乗るオペレーションは、スムーズに見えたけどやっぱり行列になる。 降りたはいいけど、帰って来るの大変だよね? 船から見えるテンダー乗り場はすごく狭そうで、日陰もない感じ。あんなところで行列して帰りのテンダーを待つのは嫌だなーーとめげる。 なので、船にずっといることにした。
昼間がらがらの船内を徘徊して、カフェでうだうだしてたら、ディナーの時によく合うソムリエにバッタリ遭遇。 こんな素敵な町になんで降りないの?と言われてちょっと後悔したけど、次の機会ということで。 8月18日のイタリア・フローレンスでは、ツアーに参加した。 だってクルーブラザーズからの予約特典で無料だったから。 お客様が多い旅程だと、こういう特典が時々付くのだ。
久しぶりに寄港地ツアー参加して、いやはや過酷だなと思った。 朝7時半集合で夕方の5時ぐらいまで。 20人ぐらいのグループが2人の先導者に導かれて、現地ガイド2人とともにバスとフェリーで移動。
船着場の隣にある古いお城のてっぺんまで登り、360度の絶景を堪能。 またフェリーに乗って、ポルトベネーレへ。ここも山のてっぺんにお城があって、みんなでぞろぞろと行く。 もうちょっとで頂上というところは石畳の広場になっていて、全く日影がない。 気温は30度越えなので、私は城壁の影に張り付いてみんなが戻ってくるのを 待っていた。 杖をついているようなご夫妻もちゃんとお城の上まで 上がっていた。すごいなあというか、私に根性が無いんだな。
その後は自由行動になって、ガイドさんたちも行くというレストランでやっとこさランチ(ツアー代金には含まれず)。地元料理を堪能した。この辺はジェノバに近いので、ジェノベーゼソースの料理 がいろいろある。 でもイタリアにはエアコンが効いた屋内のレストランやカフェなんてないので、とにかく暑くて、暑くて。 仕方なく冷たいものばっかり食べていたら、Gがお腹が痛くなってきたと言うし。
船からこんなに離れた場所でハライタのおじさんを抱えてどうしようかと思っちゃった。でもなんとか、またフェリーとバスを乗り継いで船に戻ってきた。
日差しが傾けば海からの風も気持ちよく、最後船までの 道はなかなか雰囲気が良かった。 夏のイタリアは本当はこの時間から後が賑わうんだよね。

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おまけ 下船地チビタベッキアで見つけた過ごし方

バルセロナから ローマへの1週間の片道クルーズも、 8月19日にチビタベッキアの港に到着して、とうとう終わりとなった。 レストランスタッフやキャビンアテンダントのインド人、ビジャイ・クマール君にお礼をして下船。船からのシャトルバスで、ローマ空港(FCO=レオナルド・ダ・ビンチ・フィウミチノ空港)に向かう。

空港からカートを押して行き、そばにある ヒルトンローマ・エアポートホテルにチェックイン。 これで明朝のフライトにも乗り遅れる心配がないので安心だ。

昼前の到着だったのに、空いているからどうぞとお部屋に入れてくれた。ホテルは古いけれど、レストランもあるし、ジムもあるし、室内プールにジャグジーまである。ひと通りこなしてちょっと昼寝をして休憩した後は、ホテルの前からタクシーに乗って、ネットで調べておいたフィウミチノビーチへ行った。
タクシーで20分くらいのフィウミチノビーチには、海沿いにレストランや小さなホテルが並んでいる。 その中のBBQ(Bi-Bi-Kiu)という海辺のレストランに入る。

お店に到着したのは午後6時半だったけど、まだ昼間のように明るくてお客は他に誰もいなかった。夕陽がきれいになってくるにつれて、だんだん増えてきて、私たちが出るころには満員に。 カラフェ・リトルというから小さいカラフェだと思って頼んだワインが1リッターもあって、かなり酔っぱらってしまう。
帰りはお店の人にタクシーを呼んでもらったのに、他の通りがかりの人に取られてしまった。もう一度呼んでもらったタクシーはなかなか来なくて、足元を見られて来るときの倍の料金を取られちゃったけど、歩いて帰るわけにもいかないから仕方ない。次にここに来るときには、用心してあまり飲みすぎないようにしましょう。

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