夏に涼しくクルーズができるのは、今や北ヨーロッパかアラスカだけになってしまった。日本発着のクルーズも夏はお祭りだ花火だと楽しいけれど、夏の日本近海は津軽海峡ぐらいまでは 海風が熱風となって、バルコニーに出ることもできない。
涼しい海風に当たりたい! そう思って決めた行先はアラスカ。前の年にヨーロッパに行ったので、今年はアメリカの番だ。弱い円を持つ身にとっては(2024年の前半は1ドル140円から160円の間をうろうろ) アメリカの物価高はキツイけれど、だからと言って日本の猛暑はもっと身にこたえる。脳みそは破壊されるし寿命が縮む。円安と脳破壊、どっちを選ぶ!? 自分にそう言い聞かせて、アメリカとクルーズをとことん楽しむことにした。
目次
1ノルウェージャン・アンコールに決めた
2乗船は余裕をもって
3久しぶりのメインダイニング
4ダンサーのいない船(エンターテインメントについて)
5寄港地で、鮭に会えなかった。
6コロナ以降のアメリカは
1 ノルウェージャン・アンコールに決めた
夏のアラスカクルーズで一番 お手軽なのは、シアトル や バンクーバー発着で 7泊8日で同じ港に戻ってくるコースだ。これだとアラスカ名物の氷河には、4日目ぐらいにちょっとタッチしてすぐに戻ってくる感じ。アンカレッジ 近くのウィッティアまで 7泊8日かけて行くコースもある。ウィッティアで降りて アラスカの山奥のロッジホテルまで列車で行き、3泊とか4泊で国立公園内を点々として帰ってくるツアーも、クルーズにセットで付けられる。ゴールドラッシュ時代をたどることができるので、開拓物語が大好きなアメリカ人に大人気だ。
できるだけ長く涼しい海に浮かんでいたいけれど、今年はまだお盆の時期しか休めないサラリーマンの夫をもつ身の私だ。仕方なく日本から直行便で行けて便利な、週末シアトル発着の7泊8日のコースで探した。
そうして決めた船はノルウェージャン・アンコール。毎週5~6隻の船がシアトル発着の7泊8日のアラスカクルーズをしているけれど、乗ったことがないのはこの船とホランドだけだったのだ。
ノルウェージャン・アンコールは、コロナの直前に就航した17万トンの新造船だ。船のショーが充実しているから、私は大きな船が好きなのだ。このアンコールには新しいミュージカルショー、クワイア・ オブ・マンがあるという。コロナ前に同じノルウェージャンの新造船ブリスに乗った時には、レストランパッケージを使ってフレンチや イタリアンを美味しく楽しめた。
今回のコースはクルーズブラザーズ特別価格で、船の真ん中のちょっといいバルコニーがお得になっていた。
不安材料もちょっとあったんだけどね。コロナ禍以来、クルーズ 会社大手3社(ロイヤルカリビアン・カーニバル・ノルウェージャン)の中で、株価回復が一番思わしくないのが この ノルウェージャンだ。かなり厳しく コストカットをしているとは 業界ニュースで読んでいた。どんな風にコストカット しているのかな? そんな好奇心もちょっとはあった。結論から言えば、そんなアホな好奇心は持つべきではなかったんだけどね。
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2 乗船は余裕をもって
さて、今回は クルーズの前に2泊、ノルウェージャンのクルーズターミナル(ピア66)の真ん前の「 マリオット・シアトル・ウォーターフロント」ホテル に宿泊した。乗船前日2024年8月10日土曜日の朝。時差ボケもあまり感じずに目が覚めたらびっくり。部屋から手が届くぐらいの距離に、ノルウェージャン・ブリスがドカンと泊まっていた。
ブリスちゃん お久しぶり! 2019年のゴールデンウィークに乗ったよ、と話しかける。おっきなお尻しか見えなかったけど。
私たちが今回乗るノルウェージャン・アンコールは明日日曜日にここにやってくる。そしてこのノルウェージャン専用のクルーズターミナルには、ノルウェージャンの船 ジョイ・アンコール・ブリスが毎週入れ替わり立ち替わりやってくる。だからもしノルウェージャンの船でアラスカクルーズをするならば、このマリオット ウォーターフロントホテルは本当に便利だ。ホテルの前の信号を渡ってちょいと右に行けばもう、荷物のチェックインゲートだから。
他の船は4-5キロ離れた別のターミナルなので、前泊するならダウンタウンのホテルからシャトルかタクシーで行くのがいいかもしれない。
前回シアトルからセレブリティに乗った時は、空港から船会社のシャトルバスに乗り込んで、港に直行したのだった。だからシアトルの街並みはバスの窓から眺めるだけだった。シアトルは魅力あふれる楽しい街なので、前泊2泊でゆっくりできて良かったと思う。
さーてすぐに乗船だ!と行きたいところだけれど、今回はゆっくり朝食を食べ部屋でダラダラし、昼過ぎにホテルをチェックアウトした。
乗船オペレーションは10時半くらいから開始と早いけど、部屋に入れるのは15時くらいと、いろいろなYOUTUBER(英語)が言っている。なので、13時頃行けばいいやとのんびり構える。前は1秒でも早く船に乗りたいと朝早くからそわそわしていたのに、私も年を取ったものだ。
いい訳をすれば、今回は優先乗船や特別フロアの特権が無い予約なので、早く行っても行列必至でゆっくり行ったのと同じくらいの時間になり、その倍は疲れることになりそうだったので。
13時前の乗船口に行列はほとんどなかったけれど、ロープがうねうねと張られていてチェックインカウンターになかなかたどり着けない。 きっと2時間前はここが大行列だったんだろうな。長い蛇行歩行の末にたどり着いたカウンターでは、オンラインではうまくできなかった チェックインとクレジットカードの登録をしてもらい、クルーズカードを渡される。ESTAの番号かプリントアウトを見せてと言われ、荷物をかき混ぜて出すことになった。私が見たYouTuberはほとんど アメリカ人だったので、そんなことは教えてくれなかったよ。
船に入ったのは13時。そこからすぐにクルーズカードに記載されている 緊急時の集合場所に行き、 スキャンしてもらって避難訓練 終了。あとは 部屋に入れますというアナウンスまで適当に待ってと言われる。 適当と言われたってどこのカフェもバーも ロビーも、もちろんバフェも部屋が空くのを待つ人でいっぱい。 みんな朝から並んでうんざりした表情で、だらしなく 椅子に寝そべって、見ているこっちもうんざりしてくる。(YouTuberたちの言っていた通り) 仕方ない 船内探検をしようとうろうろしているうちに14時40分。私たちの部屋があるフロアは入れますよとアナウンスがあった。
船に入ってアプリにつながったら、念のため レストランやショーの予約を確認するのがいい。 取れなかったものが取れたり、時間を動かしたりが 乗船前より簡単にできる。これをするための座る場所がなかなか見つからないんだけどね。
お部屋は 14階のMAバルコニー 14800号室。バルコニーの中では最上級で、上層階・真ん中の位置にある。かつては ジュニアスイートの扱いで バスタブ もあったのだけど、新しい船は ジュニアスイートをなくして バスタブも設置しなくなった。
アラスカ や北欧のフィヨルドなど、 寒くて景色がいいところをクルーズする時は、 船尾のバルコニー付きのお部屋が いいと思う。船体に遮られて風が来ないので、バルコニーで船の後ろに続く景色をずっと楽しむことができる。予約受付開始とともに一番最初になくなってしまう お部屋 なんだけどね。お値段もだいぶ 高かった。
17万トンと大きな船 なのに、エレベーターが前方と後方の2箇所しかない。なので真ん中の部屋は前に行くにも後ろに行くにもけっこう歩く必要があった。歩くのも運動のうちと思っていたけれど、メインダイニングやスパに行くのに前なのか後ろなのかわからなくなってしまう。1‐2回なら笑ってすますけど、何度も違う方に出ちゃうとがっくりする。クルーズ最終日までには、覚えられるけどね。
廊下を歩いている間は、ドアアートとでもいうべき、キャビンのドアの外側にマグネットをペタペタ貼っている部屋を見て歩くのが楽しかった。隣の部屋のファミリーは、ドアにホワイトボードを貼り付けて、「私たちはテキサスから来ました。あなたは?」なんて書いたりして。たちまち通りすがりの人のコメントでいっぱいになっていた。 私もTokyoと書いたよ。
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3 久しぶりのメインダイニング
今回は普通のバルコニーでの予約だったので、ダイニングは久しぶりにメインダイニングとなった。前回のクイーン・エリザベスではプリンセスグリルに。その前のセレブリティ・エッジではアクアクラスのレストランブルーに行ったのだけれど。ノルウェージャンの船は、スペシャルティ レストランが充実していて、味はなかなかだ。前回乗ったブリスでは、 イタリアンが美味しくて、今までアメリカで食べた中で一番美味しいパスタだなんて感想を 旅行記 に書いている。
なので船の上でレストラン パッケージを追加で購入し、7泊のうち5回スペシャルティ レストランに行った。
スペシャルティレストランに加えて、実はメインダイニングもなかなか美味しかった。何より空いていていて、あまり待つことなく すぐに通されて、料理もすぐ出てくるのが良かった。
この船の ウエイターはほとんどが フィリピン人だった。 みんな フレンドリーで、入れ替わり 立ち返り やってきては、私たちが日本人だとわかるとニッポンが大好きーみたいに言ってくれる。
フリー シーティングで時間も適当に行っても楽しく食事ができるのは良かった。 ついつい ドリンク パッケージよりお値段が良いワインを頼んでしまって、追加の支払いが増えてしまうのだけれど。
私たちはスタンダードドリンクパッケージにしていたので、出てくるワインはまあそこそこ。 特に スパークリングが ちょっと甘くて すぐ飽きてしまった。プレミアムのドリンクにするには、一杯あたりの差額を払えばいいと聞いて、気が大きくなってジャカジャカ注文。まあ しょうがないね。 人生を楽しむって決めたんだからね。
朝食もほとんど メインダイニングに行った。朝は混んでいる時があって、メニューから頼んだものはすぐ出てくるんだけれど、追加のカップやケチャップなど、なかなか届かない。 どうやら キッチンから配膳台までの距離が遠くて、時間がかかるみたいだった。
コーヒーミルクは、日本では醤油やわさびが入ってるような小袋に入ってテーブルに置いてある。切れ目から袋を破って使うんだけど、これがなかなか指では切れない。向こうのテーブルに噛みちぎろうとしている人が見えると、やっぱりーと笑ってしまう。
なので、ノルウェージャン・アンコールのメインダイニングで朝食を食べる時は
・ コーヒーと紅茶 両方が飲みたくなった時のための 予備のカップ
・ コーヒーミルクの小袋を開けるためのハサミ
・ ケチャップの小さな瓶
を持って行くのがいいと思う。
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4ダンサーのいない船(エンターテインメントについて)
7泊のクルーズでのシアターのショーは・予約が必要なクワイア・オブ・メンが 同じ内容で 2晩
・同じ人たちが 年代や 衣装を変えて違う曲を演奏する ビートルズ ショーが4晩
だった。
クワイア・オブ・メン は8人の男性コーラス+4人のバンドで、ビートルズは4人組。 ショーにバックダンサーはいない 。 オーケストラ バンド もない。 つまり この船のシアター に出てくるのはたったの16人 なのだ。
これに気づいた時には、愕然とした。
ダンサーがいない 船に乗っちゃったの?
クワイア・オブ・メンの8人の男声合唱は迫力があってさすがに感動した。 イギリス英語を話す人たちの会話は聞きにくかったけど、あんまり セリフがなくて歌が多かったし。むっちりしている役者が、バーを想定した舞台のテーブルに 飛び乗って体を揺すって歌うのは楽しく見た。
ビートルズバンドは、 バンド少年だったGに言わせれば、「今まで見たどのビートルズそっくりさんバンドよりも、頑張っている」そうだけど。私にすれば、マッシュルームカットもポールが左利きでギターを弾くのも、わざと訛ったイギリス英語でしゃべるのも、またかという感じ。
そのビートルズ4人組がクルーズ中に演奏する曲を変えて4回もショーをやる。Gはもちろん全部見る気満々だったけど、私は飽きそうだなあと思っていた。結論から言えば、演奏する曲の時代が進むにつれて、だんだん楽しくなったんだけど。
でもね、やっぱりクルーズでは大きな舞台で ダンサーズの迫力のショーが見たいよね。 ダンサーが乗ってない船って、、、プロダクションショーが1回しかないなんて、、、。 ショックでした。
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5 寄港地で、鮭に会えなかった。(寄港地でもケチケチ)
まずは最初の寄港地ジュノーにて。出発後丸1日の終日航海の後、3日目に到着。この日は午後の停泊の予定で、港にはすでに4隻が港に停泊。私たちの前の日にシアトルを出発していった、ブリスまで居るではないか。
ブリスちゃんまた会えたねー、隣に並ぶのかなと喜んだのもつかの間、ブリスはしずしずと出発。そして私たちの乗っているアンコールがそのあと同じふ頭に滑り込んだ。なんとまあ、ジュノーの埠頭を同じ船会社の船が午前と午後で分けて使って、港湾料を節約してるってこと? ドケチ作戦に笑ってしまった。
ジュノーの繁華街まではちょっと遠かったけど、歩数稼ぎに歩く。この時は遠いところに停泊してツアー代を稼ごうとしている船会社の作戦に気づいていなかったのだ。
町に向かってぞろぞろと歩く船のお客さんたちの中から日本語が聞こえてきたので、思わおず声をかける。初めてノルウェイジャンに乗った日本人女子2人組で、お互い数少ない日本人乗客の中から会えたことに驚く。(前の日に私がレセプションで聞いたところでは、この定員4000人の船には、日本国籍の人がたった12人しか乗っていないそうだ。 中国人は50人と言っていたので、日本人は圧倒的マイノリティであった。 )
彼女たちは夜のホエールウォッチングツアーに行くと言っていた。アラスカは8月でも夜9時ぐらいまで明るいので、充分見えるんじゃないかな。でも寒かっただろうなあ。
私たちはその夜は期待のフレンチレストランを予約していたので、あまり時間がない。いい位置にどかんと停泊するウエステルダムとオベーションと、そのそばから山のてっぺんに登るロープウェーを見上げ、アラスカと描かれた手袋を買い、船に戻る。雨が降って急に寒くなったので、帰りはシャトルバスに乗っちゃったけど、じゅうぶん歩数は稼げた。
4日目のスキャグウエイでは、朝から夜まで13時間も停泊と最長だ。そして船の目の前にゴールドラッシュ時代の鉄道を再現したホワイトパストレインの駅がある。クルーズ船のお客さんはみんな この列車に乗って山の奥まで入り、ゴールドラッシュ時代の荒くれ者だった自分たちの先祖たちの気分を味わうのだ。
私は船に乗るのは好きだけど、列車はそんなでもない。だって船より揺れるでしょう? なので船会社の思惑に反して、200ドル以上もするチケットは買わなかった。
列車に乗る以外何もない小さな町スキャッグウェイだけど、昔は ゴールドラッシュで栄えたんだという歴史の展示があちこちにある。
今回アラスカに来る前に新田次郎の「アラスカ物語」を読んだので、その記述にもあったアラスカでの人々の厳しい暮らしぶりがありありと目に浮かぶ。
「アラスカ物語」は、クジラやアザラシの生肉を食べていたエスキモーの長となって鉱山開発をした日本人フランク安田が主人公だ。それに対してスキャグウエイの湊の展示は、ゴールドラッシュに惹かれて南からやってきた荒くれものたちの視点で作られているので、こんなきれいごとじゃなかったよねえと言いたくなるけどね。
それにアラスカ物語で人々が活動するエリアは、広大な大陸の北の奥(北極圏内)。スキャグウエイなんてアラスカの南の端のほんの入り口にすぎなかったのだ。人間て、お金が儲かるとなると何でもするのね、とつくづく思い知らされます。
5日目はアラスカクルーズ名物「グレーシャーベイクルーズ」。つまり氷河がせり出す湾内に船で行き、船から氷河見物するのだ。
いつもより早めに部屋を出て、船の先頭の15階と16階をぶち抜いたオベーションラウンジに行く。朝早くから場所取り合戦でゴロゴロと寝転ぶ人たちで見栄えが悪いとアメリカ人のクルーズYouTuberが言っていたので見物だ。確かに朝7時頃にはもうほぼ、景色がいいところは 場所が確保されていた。
私たちは、あらかじめクルーズ中全日使えるパッケージを買っていたスパに行く。150人限定でスパが混むことはないと言われたけれども、本当かな? 一つしかないウエットサウナや景色がよく見える位置の寝椅子はいつもけっこうな混みようだ。
でもまあ、オベーションラウンジほどではないので、暖かい石の寝椅子に寝そべって、だんだん近づいてくる氷河を眺める。。
といっても雪がほとんど解けた黒い山の谷間からちょろっと舌を出すように青白い氷河が見えるだけなんだけどね。
5月や6月だったら氷河はもうちょっと大きかったのかな。でもやはり地球温暖化の影響は大きい。 1750年ぐらいまでは入ってきた湾の外まではみ出すように氷河はあったけれど、今はどんどん後退していると レクチャーでも言っていた。
窓際に立って 外を眺めていると、いつの間にか人が後ろに来て「何か見えるの?」と聞く。「いやいや、外を見てただけ」 と笑って答えるんだけれど。そして「あなたは何か見ましたか?」と聞くと、まだ見ないと言う返事。 それぐらい氷河や動物を見る機会は少なかった。鯨の潮吹きがちょろっと見えただけ。
どこの港からもヘリコプターで氷河の頂上に行ったり、小型船でホエールウォッチングに行ったり。そういうツアーがバンバン出ていてけっこうな人気だった。アラスカで氷河に触れたり動物に出会ったりするには、さらに奥に行く有料のツアーを申し込む必要があるのかな。
6日目のケチカンでは大失敗。
15年前にケチカンにセレブリティ来た時は、船の真ん前が町で川があり、鮭が遡上するサーモンラダー(=鮭のはしご登り)もすぐそこだった。
部屋のモニターに映し出されるケチカンのポートマップにも、懐かしい町の地図が映し出される。そうそう、こんなだったよね。ここが船着き場で、ここが川で橋。このサーモンラダーにまた行って、サケの遡上を見て元気をもらおう!と楽しみにしていた。ケチカンでの停泊時間は7時半から13時半までと短いけれど、昼前にちょっと船を降りて川までお散歩しよう、と。
ところが、船を降りて、あれ? 目の前に町がない。川もない。お土産物が並ぶ巨大なショッピングセンターがドカンとあるだけだ。
しばらくショッピングセンターの中と外をうろうろした後、ようやく見つけたセンターの隅の案内所に行ってみた。「川はどこですか?」と聞く私に、カウンターのおじさんは、近くに川はないよ。と言う。タクシーに乗って行かなくちゃね、と。前に来たときは、すぐそこが川だったんだけど…。キョトンとする私に、おじさんは気の毒そうに言う。それはここからxxマイル先の町のことだよ。(でもタクシーなんて見当たらない)呆然とする私がわかっていないと思ったのか、おじさんは言い直した。「10キロ先だよ。とても歩いては行けない。」
つまり、この船は「ノルウェージャンの船のために特設された最新のケチカンの埠頭」に停泊している。そこはケチカンの町の中心からは7マイル(ホントは12キロ以上)離れていて、特別に運行される無料のシャトルバスに乗ってなんと30分もかかる。そしてそのシャトルバスは、行きは9時半港発が最終便。帰りは11時町発が最終便。
朝起きた時から、船の中がシーンとしていたわけが、今わかった。みなさん早起きしてツアーバスやシャトルバスで出かけたってことだったのね。
鮭のはしごが見たかった私は悔しくてたまらない。15年前にセレブリティで来たときは、川は歩いてすぐのところにあった。鮭たちは人生最後の力を振り絞って、はしごのような滝を登っていた。あれから15年たってまたそんな鮭たちを見て私はどんな力をもらうのか。自分で自分を見てみたかったんだけれどね。自分の居場所もわからずに近くにすら行けないとは。。。なんというお粗末な私の人生。
7日目ヴィクトリア
夜の8時から3時間だけ停泊 というカポタージュ規制のためだけの寄港。この港に来るのはもう3回目だし、前回ブリスで来た時には昼間の停泊で町巡りツアーに行ったから上陸はしなかった。その時のガイドさんが言っていたけれど、カナダのお金持ちが集う別荘地だそうで。 だから1回くらいは街並みを見ておくのはいいと思う。
最終日の最後のビートルズショーの後には、フェアウェルパーティーがシアターであった。オフィサーズが勢揃い。セントルシア出身の カリビアンのクルーズ ディレクターが 上手に盛り上げてくれて楽しかった。
フェアウェルの最後を飾ったのは、ビートルズでもラウンジで人気だった女性シンガーでもなく、いつも ビュッフェの入り口にいた Washy washyチームだった。みんな大笑い。もっとこういうノリノリのエンターテインメントが見たかったなあ。
下船日 シアトル(チップ考)
朝起きたら目の前に大都会シアトルが広がっていた。今回は一泊の後泊があるので、下船は一番最後の組9時半。それでも9時過ぎには部屋を出てとアナウンスされ、船外に。
シアトルにクルーズで定刻に戻れば、余裕でその日の13時半の便に乗れるとわかった。
悪天候やエンジントラブルで船が遅れることがないとは言い切れないので、下船日の後泊は飛行機のチケットを買いなおさない保険と思ってもいいかもしれない。 シアトルの街も楽しめるしね。
そうそう。部屋を出るときに部屋に置く枕銭について。念のため英語で検索してみたら「今時20ドルじゃ、侮辱レベル。せめて40ドルから。子供がいたりして手間がかかったら100ドルぐらい。」と書いてあって仰天した。そうか、やっぱり。
日本発着の外国船だって、きっと外国人はこれぐらいしているんだろうなあ。そういう船で日本人へのサービスが悪いという話を聞くにつれ、ちゃんとチップを渡さないからじゃないの?と思うようになった。
検索した中で、面白かったのはこれ。
250ドルを1ドル・5ドルを多め、残りは10ドルと20ドルのお札で持っていて、1ドル札はバーで飲み物が来るたびに。 なじみの バーテンができて 名前を覚えたり 好みを覚えてくれたり良くしてくれたら、最後に 封筒に20ドル ぐらい入れて渡す。
部屋係は最初に25ドル。 最後にまた同じ額か サービスの良さによって ちょっと多い ぐらい渡す。
ウェイターは食事のたびに変わったら、食事の最後に 5ドル をテーブルに置く。 同じ人がずっと面倒を見てくれたら 最後に 封筒に入れて多めの金額を メインウェイターとアシスタント ウェイターそれぞれに渡す。
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6 コロナ以降のアメリカは
・まずはネット2019年のゴールデンウィークにロス発のクルーズをして以来、すごく久しぶりにアメリカにやってきた。場所は シアトル。直行便で約9時間。成田を午後6時に出発すると到着はシアトルの午前10時半になる。 お昼過ぎにはノルウェージャンのクルーズターミナルの真ん前のマリオット ウォーターフロントにチェックインしていた。
シアトルに 着いて一番最初に試みたのは、SIMカードの購入だ。色々な E-SIMがネットで日本にいながら事前購入できるけど、アラスカの寄港地もカバーするのは、どうやらAT&Tの E-SIM だけみたい(2024年8月現在)。空港で探したけれども、SIMカード自体売っていない。昨年バルセロナの空港ではちゃんと買えたのに。ホテルのお兄さんにAT&Tのショップを聞き、歩いても10分ぐらいだよと言われ、地図にぐるぐる 丸をつけてもらって張り切って出かける。
外に出てびっくり。シアトルはけっこうな坂の町なのだ。 ネットがないから Uber も呼べず、タクシーで来たから 気づかなかった 。ウォーターフロントからダウンタウンに歩いて行くには、すごい 階段か エレベーターを上がらなくてはいけない。( このエレベーターが2回に1回は故障中の表示なのだ。やれやれ。) 時差ボケ解消には日光に当たって運動だ!と 気を取り直して出かける。
何せ日本の夏を逃れてやって来た私たちだ。気温は30度近くと高かったけれど、カラッとしたシアトルの空気はとっても気持ちが良いのだ。
AT&Tショップでは、順番待ち3番目ぐらいで30分ほど待ったかもしれない。嬉しそうにはしゃぎながら新商品の手続きをしている人たち、故障したみたい緊急なのとなんとか 割り込もうとするお姉さんなど、ああアメリカだなあと見ているだけで楽しくなってくるので時間は苦にならなかった。 担当してくれたお相撲さんみたいな黒人の店員さんは、高校生の時に日本語の授業をを2年ぐらい受けたけど すっかり忘れちゃったよ と言いながら、日本語仕様の iPhone にちゃんと EーSIM をセットしてくれた。 解除の方法も教わって1ヶ月分の料金+セット料・税金込みで60ドル なり。PC や携帯をつないでテザリングできたし、電話番号ももらえてタクシーや レストランの予約もできたので、まあまあ 便利に使えたと言える。 デザリングの速度は3.8と8.9 ぐらい。
・時差ぼけはいつくるか? 恐る恐るの初日
ネットが使えるようになってひと安心。こうなるといつ時差ボケが出て眠りに落ちるかわからない。フィッシュマーケットやその近くのオープンエアのレストランはとってもよさそうだったけど、今回は2泊前泊するから明日来よう。と、がまん、がまん。ホテルに戻る途中、安売りスーパーのターゲットのデリに寄り道して今日食べるサンドイッチと野菜サラダ、翌朝用のヨーグルトとチーズを購入。44ドルなりー。ホテルの部屋はアメリカンサイズで大きくて バルコニーも付いていてウォーターフロントが見える。レストランに食べに行かなくても部屋で食事するので十分景色が楽しめた。
わざわざ バスタブ付きの部屋を指定したからとゆっくりお風呂に入ったら、時刻はもう夕方だ。これでぱったり 眠くなるかなと思ったら、意外と元気。
それじゃあと港沿いを行けるところまでお散歩して戻って、ホテルの真ん前のレストラン"Anthony's Bell Street Diner"の、海際に並んだ外のテーブルで沈む夕陽を見ながらお食事。サラダに前菜に白身魚のグリルを注文。ワインは2人で3杯ぐらい。と軽く食べたつもりが、お値段は チップ を20%乗せたら170ドルになった。むむむ、これがアメリカの物価高の現実か。でもこれにめげていたらきっとアメリカは楽しめない。猛暑の日本で暑さに白目むいているより良かったでしょう?と自分に言い聞かせる。
日暮れとともに気温はどんどん下がって、体が冷え切ってブルブル震えながらホテルに戻る。バスタブにお湯をたっぷりためて温まり、今度こそぐっすり就寝。
・やっぱり海外旅行は楽しいな
シアトルに行って良かった。アメリカの中で一番というぐらいリベラルな町で、異人種カップルや同性カップルが多い。多様性を受け入れる包容力を感じた。(3ヶ月後の大統領選でのトランプの得票率は、たった22%。)
宿泊したマリオットホテルがシアトル美術館の無料入場券をくれたので、わーい、わーいと見に行ったんだけどね。古代から現代までのアートがずらり。世界中の歴史と多様性がよくわかる作りになっていて、その思想と工夫された展示に感心した。
もちろん影の部分もあって、それはヤク中のホームレスの多さ。ダウンタウンの街角ごとに人が座ったり立ったりして、ゆらゆら揺れている。タクシーの運転手さんが「シアトルはドラッグフリー(ドラッグが合法)だから、ああなっちゃうんだよ」と言っていた。「夜なんて、まるでゾンビがうようよいるみたいになるよ」と。
ゆらゆら揺れているだけの人たちには凶暴さは感じなかったけど、入ろうとしたスーパーマーケットの入口で警備員に訳のわからないことを喚いてる人がいた。さすがにその人の近くを通ってお店に入る気にはならなかった。
一番笑ったのは、シアトル2日目の夜に奮発して行った海辺のシーフードレストランで。タコの足の丸焼きをメニューに見つけて、こんなゲテモノ、アメリカじゃあ誰も頼まないんじゃない?なんて笑ってサーブしてくれたウエイターに言ったら、「そんなことないよ。このメニューは僕の一番の好物さ」なんて、しれっと言うのだ。このうまい具合にあしらいつつ、お互いに気分がよくなるアメリカらしいノリ、好きだなあ。
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